
APDCのティーツリーシャンプーって有名だけど、安全性は?

ティーツリー中毒の危険性はない?
人気のある商品でも、愛犬の健康を考えると不安になりますよね。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
犬用のティーツリーシャンプーは危険?実例と安全性評価
APDCをはじめ、ティーツリー配合の犬用シャンプーは多くの飼い主さんに人気です。
まず誤解のないようにお伝えすると、販売されている犬用のティーツリーシャンプーには基本的に危険性はありません。
問題になるのは、「濃度が高すぎるティーツリーオイル」や、「皮膚の弱い犬への使用」です。

一緒に学んでいきましょう!
①ティーツリーは植物由来の精油
- ティーツリーはオーストラリア原産の植物で、葉から抽出される天然精油
- 強い抗菌・抗真菌作用があり、皮膚トラブル予防に効果が期待される
- 犬用製品にも広く使われているが、人間用とは配合量が異なる
昔から怪我や傷、肌あれのケアをしてくれるものとして大切にされてきた植物です。
ティーツリーには、抗菌作用(菌の増殖を抑える作用)と抗真菌作用(抗カビ作用)があり、肌あれ予防にも効果があるとされています。お肌のトラブルのもととなる、細菌をコントロールし健康なお肌に整えます。
ティーツリーはナチュラル成分ですが、精油という特性上、使い方によっては刺激にもなり得ます。
だからこそ、犬向けに調整された製品での使用が前提となります。
②ティーツリー中毒は100%オイル使用時に発生
- 海外の中毒報告は、100%原液のティーツリーオイルを直接皮膚に塗布したケース
- 摂取や過剰塗布による神経症状・運動障害などが報告されている
- 市販の犬用製品はこれとは異なり、適切に希釈されている
犬または猫における100% TTOの意図的または偶発的な使用は、曝露後数時間以内に中枢神経抑制、麻痺、運動失調、または振戦などの重篤な症状を引き起こし、最大3日間持続しました。若い猫や体重の軽い猫は、重篤な疾患を発症するリスクが高かったです。
※ティーツリー オイル (TTO)
出典:Khan SA, McLean MK, Slater MR, et al. (2014). Concentrated tea tree oil toxicosis in dogs and cats (2002–2012). Journal of the American Veterinary Medical Association, 244(1), 95–99.
誤った使い方や濃度管理が不十分な自作アロマ・オイルで中毒を起こす事例が多く、市販品そのものを問題視すべきではありません。
③犬用ティーツリーシャンプーは希釈済みで安全
- APDCなどの有名ブランドでは、獣医師監修・動物用の安全基準に沿って製造
- ティーツリーの濃度も数%以下に調整されている
- 正しい使用方法を守っていれば健康被害は極めて少ない
多くの市販犬用シャンプーは、皮膚刺激を抑えるよう調整されており、通常使用でのリスクはほとんどありません。

ただし、市販品の用法容量は必ず守りましょう!
④ティーツリーシャンプーは皮膚が弱い犬には注意
- アレルギー体質の犬は、植物成分に過敏に反応することがある
- 皮膚炎・アトピー持ちの犬には刺激になる可能性も
- かゆみ・赤み・フケが出た場合はすぐに使用を中止すること
安全な成分でも、すべての犬に合うわけではありません。事前のチェックや獣医師への相談が重要です。
⑤異常が出たらすぐ使用中止
- シャンプー後にぐったりする、かゆがる、震えるなどの症状が出たら危険信号
- 少量でも体質に合わない場合がある
- 異変があればすぐに使用を中止し、動物病院を受診すること
私たち人間と同じように、新しい商品やスキンケア用品を使用し、何らかの皮膚トラブルが生じた際は、すぐに洗い流し使用を中止しましょう。
犬用のティーツリーシャンプーは危険ではない!選び方と注意点

ティーツリーシャンプーは正しい選び方と使い方を知ることが、愛犬の肌トラブルを防ぐ第一歩です。

実際に愛用されている方もいます!
ここからは選び方や注意点について解説します。
①使用前にパッチテストをする
- 初回使用前に、少量を内股や耳の裏など皮膚の柔らかい場所に塗布
- 24時間程度様子を見て、赤みやかゆみが出ないか確認
- 異常があれば使用を中止し、別の製品を検討する
最も基本的で効果的なトラブル予防法。敏感肌の犬には特に重要です。
②低刺激性・獣医師監修の製品を選ぶ
- 「低刺激」「アレルギー配慮」「犬用」と明記された製品を選ぶ
- 獣医師や専門家が監修しているメーカーを優先する
- 成分表示を確認し、合成香料や強い防腐剤を含まない製品が安心
選び方ひとつでリスクは大きく変わります。信頼できるブランドを見極めましょう。
③頻度は月1〜2回が基本
- 健康な犬でも洗いすぎは皮膚バリアを壊す原因になる
- 皮膚トラブルがある場合は、かかりつけ獣医の指導を受けること
- 汚れが気になる時は、部分洗いや拭き取りで対応するのもOK
頻度を守ることも大切なスキンケアの一環です。洗いすぎは逆効果になります。
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④異常を感じたら即中止・病院へ
- 使用中や使用後に、震え・ふらつき・元気消失などの異常が見られたらすぐに中止
- 軽度の異常でも迷わず動物病院へ相談
- 使用を続けず、必ず専門家の判断を仰ぐ
万が一の早期対応が、症状の悪化を防ぎます。迷ったときはすぐに受診を。
【Q&A】犬のティーツリーシャンプーに関するよくある質問

最後に、実際によくある飼い主さんの悩みをQ&A形式で解説していきます。
Q1:犬のティーツリーシャンプーの効果は?
A:殺菌・抗真菌・防虫効果があるとされ、皮膚のベタつきや軽度のかゆみのケアに使われることがあります。
ただし効果は個体差があるため、必ずしもすべての犬に適しているとは限りません。
Q2:犬に人間用のシャンプー薄めて使うのは大丈夫?
A:NGです。人間と犬では皮膚のpHが異なるため、人用シャンプーは犬には刺激が強すぎます。
薄めても安全とはいえず、皮膚炎や乾燥の原因になります。
Q3:犬のシャンプーはいつから使える?
A:一般的には生後2〜3ヶ月頃から使用できます。
ただし、初回は必ず獣医師に相談し、低刺激の製品から始めるのが安心です。
Q4:皮膚病の犬のシャンプーはどうしたら良い?
A:皮膚病がある場合は市販品ではなく、獣医師処方の薬用シャンプーを使用するべきです。
市販品の使用は症状を悪化させるリスクがあります。
Q5:犬がシャンプーをするとフケが出るのはなぜ?
A:乾燥・洗いすぎ・シャンプーの刺激などが主な原因です。
保湿成分が入った製品に変える、頻度を見直すといった対応が効果的です。
まとめ:ティーツリー配合でも「正しく使えば安全」
市販の犬用ティーツリーシャンプーは、安全基準に基づいて作られており、正しく使えば危険性は非常に低いといえます。
ただし、皮膚が弱い犬やアレルギー体質の犬には注意が必要です。
「人気商品だから大丈夫」と安易に選ぶのではなく、愛犬の個性に合わせて慎重に選び、異常があればすぐに使用をやめる姿勢が大切です。
愛犬の健康と快適なケアのために、情報を正しく理解し、安全な製品を選びましょう。