
アメリカンショートヘアって、かわいそうって言われるけど、本当?

健康や性格で問題があるのか心配。
「かわいそう」と言われる背景には、誤解や偏見があります。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
アメリカンショートヘアはかわいそう?誤解と4つの真実
アメリカンショートヘアは一見、飼いやすく見えますが、知られざるリスクと誤解によって「かわいそう」と感じる状況が生じます。
まずは結論からお伝えします。

一緒に勉強していきましょう!
かわいそうと言われる理由
①遺伝病のリスク(HCM・PKD)
アメリカンショートヘアは、肥大型心筋症(HCM)や多発性嚢胞腎(PKD)のリスクを抱えています。

下記記事でも紹介されている内容です。
Although the American Shorthair is considered a healthy and robust breed, it is not completely immune to hereditary diseases. The most common genetic diseases that owners should watch out for include hypertrophic cardiomyopathy (HCM) and polycystic kidney disease (PKD) .(アメリカンショートヘアは健康で丈夫な犬種と考えられていますが、遺伝性疾患に完全に耐性があるわけではありません。飼い主が注意すべき最も一般的な遺伝性疾患には、肥大型心筋症(HCM)と多発性嚢胞腎(PKD)があります。
出典:Tierarzt Karlsruhe Durlach > Diseases of the American Shorthair(アメリカンショートヘアの病気)
The breeds with the highest rate of the PKD1 mutation were Persian (46%), Scottish Fold (54%) and American Shorthair cats (47%).(PKD1変異の割合が高かった品種はペルシャ(46%)、スコティッシュフォールド(54%)、アメリカンショートヘア(47%)であった。)
出典:PubMed Central >Polycystic kidney disease in cats in Japan(日本における猫PKD1遺伝子変異に起因する猫多発性嚢胞腎に関連する猫の疫学的評価)
これらの疾患は進行性で、気づかずに悪化すると命に関わることもあります。
繁殖元によっては遺伝子検査がされていないこともあり、飼い主自身が健康診断や検査を意識することが大切です。
かわいそうと言われる理由
②運動不足からくる肥満とストレス
アメリカンショートヘアは活発で遊び好きな猫種ですが、室内飼育だけだと運動不足に陥りやすく、肥満や糖尿病、関節炎のリスクが高まります。
また、退屈な環境が原因でストレス行動(グルーミングの過剰や粗相など)を引き起こすこともあります。
かわいそうと言われる理由
③ケア不足による生活の質の低下
見た目の丈夫さから「手がかからない」と誤解されがちですが、歯周病予防、適切な食事、日常のスキンシップなど、継続的なケアが欠かせません。
飼い主の知識不足が、猫の健康や心の安定を損ねる原因になります。
アメリカンショートヘアが「かわいそう」と言われる誤解

ここでは、世間で言われる「かわいそう」という印象が生まれる背景について詳しく解説します。
アメリカンショートヘアの誤解
①見た目の先入観と性格のギャップ
「かわいい=おとなしい」というイメージから、アメリカンショートヘアが大人しく手がかからないと思われがちです。
しかし実際は、遊び好きでエネルギッシュな性格の個体も多く、刺激の少ない環境ではストレスを感じやすくなります。
「意外と手がかかる」というギャップが「かわいそう」という評価に繋がる可能性があります。
アメリカンショートヘアの誤解
②売れ残りや価格格差の現実
ペットショップでは価格差や需要に応じて扱いが大きく異なります。
近年人気が高い猫種と言えば、「スコティッシュフォールド」や「マンチカン」が挙げられます。
ブームがひと段落した猫種が、売れ残る状況が「かわいそう」という印象を強めているのかもしれません。
アメリカンショートヘアの誤解
③繁殖環境と遺伝病の固定化
人気のある猫種ほど繁殖が盛んになりますが、繁殖元によっては健康チェックが十分でないこともあります。
遺伝病を持つ親から繁殖された個体は、将来病気になるリスクを高く持って生まれてしまい、これが「かわいそう」と言われる原因に繋がる可能性があります。
アメリカンショートヘアはかわいそうではない!4つの真実

ここまで「かわいそう」と言われる背景について見てきましたが、それがアメリカンショートヘアのすべてではありません。

ここからは、誤解を解き、本来の魅力や実際の姿を知ることで「かわいそう」ではない、“幸せに暮らせる猫種”としての真実に迫ります。
アメリカンショートヘアの真実
①健康管理次第で元気に暮らせる
アメリカンショートヘアは、遺伝病のリスクこそあれど、きちんとしたブリーダー選びや定期的な健康診断で予防・早期発見が可能です。
リスクがある=不幸ではなく、飼い主の意識や管理次第で元気に暮らせる期間は増えるのです。
アメリカンショートヘアの真実
②甘えん坊で愛情深い
「クールでドライ」というイメージを持たれがちですが、実際には信頼関係が築かれると甘えん坊になる子が多いのが特徴です。
膝に乗ってきたり、後追いをしたり、実はとても人懐っこい一面も。
見た目の印象だけで判断されがちですが、内面の魅力は飼い主にしかわからない特別さとも言えるでしょう。
アメリカンショートヘアの真実
③初心者にも飼いやすい性格
攻撃的な一面が少なく、他のペットや子どもとも比較的うまくやっていける温厚な性格の子が多いです。
日々のスキンシップや環境への配慮があれば、猫初心者でも十分に幸せなパートナーになれる存在です。
「かわいそう」と感じさせる要素が目立つのは、配慮が足りない飼育環境に原因がある場合がほとんどです。
アメリカンショートヘアの真実
④大切なのは「知ってから飼う」
誤解が生まれる原因は、正しい情報に触れずに「見た目の可愛さだけ」で飼い始めてしまうこと。
アメリカンショートヘアは知識を持って向き合えば、とても愛情深く、暮らしに寄り添ってくれる猫種です。
かわいそうに「してしまう」のではなく、「かわいそうにしない選択」をすることが飼い主の責任です。
【Q&A】アメリカンショートヘアに関する疑問

ここでは、アメリカンショートヘアに関する「よくある疑問」についても紹介していきます。
Q1:アメリカンショートヘアを飼って後悔することはある?
A:結論から言えば、「事前に正しい知識を持たずに迎えた場合」は後悔する可能性があります。
たとえば、想像よりも活発で「思ったより遊び時間が必要だった」「運動スペースが足りなかった」と感じる人もいます。
また、健康面の知識が足りないと、後から病気を知って不安になるケースも。
ただし、これらは情報不足が原因なので、対策を講じていれば後悔することはほとんどありません。
Q2:アメリカンショートヘアはなつかない?抱っこ嫌い?
A:アメリカンショートヘアは比較的人懐こく、飼い主と適度な距離感を保てる性格です。
ただし、個体差が大きく、「抱っこが好きな子」もいれば、「スキンシップは好きでも抱っこは苦手」という子も多いです。
これは猫全体の特徴でもあります。無理に抱っこをせず、猫のタイミングで接することで、信頼関係はしっかり築けます。
Q3:アメリカンショートヘアの性格は?賢い?
A:アメショは温厚で社交的、落ち着いた性格が特徴で、多頭飼いでもストレスを抱えにくい猫種です。
また、物覚えがよく、トイレやルールを覚えるのも早い傾向があります。
飼い主の言葉を理解して反応するようになる子も多く、猫の中では“賢い”部類に入ります。
遊びを通して学習できるため、知育トイを活用するのもおすすめです。
Q4:アメリカンショートヘアは留守番できる?
A:1日程度の留守番には十分対応できる猫種です。
ただし、環境に変化があった場合や長期間の留守番が続くと、ストレスを感じることがあります。
自動給餌器やペットカメラ、遊べる仕掛けのあるおもちゃを用意しておくと安心です。
また、帰宅後はたっぷりスキンシップを取ることで、不安を緩和できます。
まとめ:大切なのは“かわいそう”にしない飼い主の心構え
アメリカンショートヘアが「かわいそう」と言われるのは、誤解や情報不足によるものが多く、適切な飼い方を知れば安心して迎え入れられます。
知識と愛情をもって接することで、アメリカンショートヘアーはかけがえのないパートナーとなるでしょう。