
朝から急にご飯を食べなくなって…元気もないし、病院に行くべき?

たまに食べない日が定期的にあるんだよね…
「何日までなら様子見で大丈夫?」「放っておいていいの?」と悩む方も多いはずです。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫がご飯を食べない理由|ほっとくのは危険なの?
猫が突然ご飯を食べなくなると心配になりますよね。
まずは、猫が食事を拒むときに考えられる代表的な原因を見ていきましょう。

一緒に学んでいきましょう!
猫がご飯を食べない理由
①ストレスや環境変化
環境が変わると、それだけで猫は大きなストレスを感じてしまいます。
- 引っ越しや模様替えがあった
- 新しいペットや赤ちゃんが増えた
- 食事やトイレスペースの変更
これらの変化があると、安心してご飯が食べられなくなる猫も多くいます。
猫がご飯を食べない理由
②食事内容の変化
フードを変えたタイミングで食べなくなった場合は、食事自体が原因の可能性があります。
- フードの匂いや味が合わない
- 食感や硬さが変わってしまった
- 急に違う銘柄に切り替えた
猫は非常にグルメで繊細な動物です。フードを変える際は、旧フードと新フードを混ぜながら徐々に切り替えることで、スムーズに移行できます。
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猫がご飯を食べない理由
③歯や口のトラブル
食べたい気持ちはあるのに、痛みで食べられないケースもあります。
見られる症状 | 可能性のある病気 |
---|---|
よだれが増えた | 口内炎・歯肉炎 |
片側でしか噛まない | 歯のぐらつき・欠け |
口を気にする仕草 | 口腔内の腫瘍など |

猫の歯のトラブルは非常に多いです。
定期的に口腔内のチェックを心がけましょう。
猫がご飯を食べない理由
④胃腸や内臓の不調
猫の食欲不振は、体の中の不調が隠れているサインかもしれません。
- 嘔吐や下痢が続く
- 便秘気味になっている
- お腹を触られるのを嫌がる
これらの症状があると、胃腸炎、膵炎、便秘、肝臓疾患などの可能性があります。
一時的であれば自宅ケアも可能ですが、症状が繰り返すようであれば病院での検査を受けましょう。
猫がご飯を食べない理由
⑤感染症や慢性疾患
特に高齢の猫やワクチン未接種の猫には注意が必要です。重大な病気が隠れていることもあります。
- 猫風邪などウイルス感染
- 腎不全や肝臓病などの慢性疾患
- 糖尿病による代謝異常
慢性疾患はゆっくり進行して症状が出にくいこともあるため、日々の食欲や体調の変化に敏感になることが大切です。
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猫がご飯を食べない時にほっとく危険性を解説

「1~2日くらいなら様子を見ても大丈夫」と思いがちですが、猫の場合、絶食が命に関わるケースもあります。

ここからは、猫が食べない状態を放置する危険性を解説します。
①絶食による肝リピドーシスのリスク
- 肝リピドーシスとは、猫特有の脂肪肝の病気
- 特に肥満傾向の猫が絶食状態になると、体脂肪が一気に肝臓に蓄積
- 数日で命に関わる危険性も
食欲がない、あるいは低下した状態が一定期間続くと、猫は異化状態に陥ります。1 この時、猫の体内では脂肪組織が分解され、脂肪酸が放出されます。脂肪酸が肝臓に運ばれることにより、脂質の代謝経路のバランスが崩れ、肝細胞に中性脂肪が過剰に蓄積されます。これにより、肝細胞が腫脹して肝臓内の胆汁の流れが妨げられ、胆汁うっ滞が起こり、肝機能障害に陥ります。

簡単に言うと、食べない状態が持続することで、肝機能障害のリスクが高くなるということです。
「食欲不振」を放置すると、状態が急激に悪化する可能性があります。
②子猫・老猫は要注意
若齢・高齢の猫は体力が少なく、病気の進行も早い傾向にあります。
- 子猫は低血糖により命に関わるリスクも
- 高齢猫は慢性疾患を抱えている場合が多い
- 1回の食事抜きでもすぐ体調を崩すことがある
いつもと違う様子や、ぐったりしている様子があれば、すぐに受診しましょう。
猫がご飯を食べない時の対処法と受診の目安

愛猫が食べないとき、まずは家庭でできることを試しながら、受診すべきタイミングを見極めましょう。

よくある食欲不振なのか、全く食べないのか、水は飲めるのかで緊急度が変わるからです。
対処法① まずは好物で食欲をチェック
- 大好きなウェットフードやおやつを与える
- 温めて香りを立たせてみる
- 手からあげてみると食べることも
一口でも食べれば、完全な食欲不振ではない可能性があります。ただし、続くようなら油断は禁物です。
対処法② 水分補給を忘れずに
- 食べないときでも水は必ず与える
- ウェットフードやスープなどで水分を補う
- 飲水量が少なければ脱水の危険
脱水状態が進むと、腎臓など他の臓器に負担がかかります。水分摂取の有無は非常に重要な判断ポイントです。
受診の目安:「24時間以内」
猫が完全に食べない状態が24時間以上続いた場合、すぐに動物病院を受診するのが基本です。
以下のような症状があれば、時間を置かず早めの行動を心がけましょう。
状態・症状 | 受診の必要性 |
---|---|
完全に食べない/水も飲まない | 絶食+脱水のリスクあり。すぐに病院へ。 |
ぐったりして動かない | 急激な体調悪化のサイン。命に関わることも。 |
吐き気・嘔吐・下痢がある | 胃腸炎や中毒、感染症などの可能性。 |
目に力がない/反応が鈍い | 神経系の異常や極度の体力低下のサイン。 |
高齢猫や子猫で食べない状態 | 年齢的にリスクが高いため、迷わず受診を。 |
このような状態が見られた場合、「少し様子を見てから…」と判断を遅らせるのは非常に危険です。
早期発見・早期治療が愛猫の命を守ることにつながります。
【Q&A】猫がご飯を食べない関するよくある悩み

最後に、実際によくある飼い主さんの疑問をQ&A形式で解説していきます。
Q1:猫がご飯を食べない、チュールも食べない…
A:チュールのような嗜好性の高いおやつも拒否する場合、体調不良のサインである可能性が高いです。
口内の痛みや消化器トラブル、ウイルス感染などが原因のこともあるため、早めの受診が必要です。
Q2:猫がご飯を食べないけど、水は飲むなら様子見でいい?
A:水を飲んでいる場合、完全な絶食よりはリスクが低いですが、油断は禁物です。
食べない状態が24時間以上続く場合や、元気がない様子が見られる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
Q3:猫がご飯を食べない…高齢猫だと特に注意が必要?
A:はい、高齢猫は腎臓病や甲状腺機能の異常など、慢性疾患が原因で食欲が落ちるケースが多いです。
年齢が高くなるほど体調変化の影響も大きくなるため、1食でも食べない日があれば注意深く観察しましょう。
Q4:猫がご飯を食べないのはストレスが原因?
A:ストレスの可能性もあります。環境の変化や来客、大きな音、新しいペットなどが原因で、猫がストレスを感じて食欲を失うことがあります。
ストレスの要因を取り除き、静かで安心できる空間を整えることが大切です。
Q5:猫がご飯を食べないのに、おやつは食べるのはなぜ?
A:これは「選り好みのサイン」であることが多いです。
嗜好性の高いおやつだけを欲しがり、主食を食べなくなるケースです。
おやつを控え、主食に戻す工夫(温める、種類を変える)を行いましょう。
それでも食べない場合は、口腔や体内の異常も疑われるため、早めの診察をおすすめします。
まとめ:猫がご飯を食べない時は観察と行動が大切
猫がご飯を食べない理由は、ストレスや食事の変化など軽度なものから、病気や慢性疾患といった重篤な原因までさまざまです。
「少し様子を見よう」と思っているうちに、症状が進行してしまうケースもあります。
愛猫の命を守るためにも、早めの見極めと行動を心がけましょう。