
発作の後にうろうろ歩き回るんだけど…これって大丈夫?

初めて発作を見た時、本当に怖くて…何をしてあげればいいか分からなかった
愛犬の発作は、見ているだけで不安になりますよね。

犬のてんかん発作は、繰り返すことも多く、発作後の行動に戸惑う飼い主さんも少なくありません。
今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
犬がてんかん発作後に歩き回る理由は?痙攣時の対処法
てんかん発作後に「歩き回る」という行動は、多くの飼い主さんが経験している症状です。
驚いたり、異常行動かと心配になるかもしれませんが、実は犬の脳の回復過程でよく見られる行動です。
まずは発作後に見られる行動とその理由を理解しておきましょう。

一緒に学んでいきましょう!
犬がてんかん発作後に歩き回る理由
①発作後の混乱状態によるもの
- 発作によって意識を一時的に失っている
- 自分がどこにいるか、状況を理解できず混乱する
- 環境を確認しようとしてうろうろ歩き回る
てんかん後の犬は、まるで夢から覚めたような混乱状態です。
自分の安全を確認するための行動ともいえるでしょう。
犬がてんかん発作後に歩き回る理由
②一時的な脳機能の異常
- 脳内で異常な電気活動が残っている
- 運動や行動の制御が不安定になっている
- 通常通りの判断ができない
発作後も脳のバランスが整っていないことがあります。
変な動きや異常行動が見られても、一時的なものなので冷静に対応しましょう。
犬がてんかん発作後に歩き回る理由
③意識回復の過程での反応
- 回復期(ポストイークタル期)に該当する行動
- 意識が戻ってきているが、まだぼんやりしている
- 歩き回る、よだれを垂らす、うなだれるなどの行動が見られる
この時期はしっかり意識が戻るまでの「移行期間」です。
ふらついたり、徘徊したりしても、無理に止めないようにしましょう。
犬がてんかん発作後に歩き回る理由
④身体の感覚を取り戻している
- 痙攣で筋肉が硬直したことによる違和感
- 身体の動きやバランス感覚を確認しようとする
- 感覚を取り戻すために歩いている可能性も
人間でも麻酔後に「身体が変な感じがする」ことがあるように、犬も感覚を確かめるかのような行動をとることがあります。
犬がてんかん発作後に歩き回る理由
⑤不安・恐怖による行動
- 発作そのものがストレスでありトラウマ
- 不安感やパニック状態に近い反応
- 飼い主を探すように歩き回ることもある
この場合は、飼い主の声かけや存在が安心材料になります。
そっと声をかけたり、そばに座って見守るだけでも落ち着く場合があります。
犬のてんかん発作時・発作後の正しい対処法を学ぼう

発作を見たとき、慌てる気持ちはとてもよくわかります。
ですが、犬の安全を第一に考え、適切な対応をとることがとても大切です。
対処法①犬の痙攣時は慌てず見守る
- 無理に体を押さえつけたりしない
- 周囲にある危険物(家具の角、階段など)を避ける
- 頭をぶつけないように枕やタオルなどをそっと置く
発作中の犬は意識がない場合が多く、下手に触るとケガや興奮の原因になります。
静かに、落ち着いて対応しましょう。
対処法②発作の時間と様子を記録する
| 記録するポイント | 内容例 |
|---|---|
| 発作時間 | 例:2分30秒 |
| 発作の様子 | 例:全身の痙攣、口から泡、目が虚ろ |
| 回復の様子 | 例:歩き回り、ふらつきあり、5分後に落ち着く |
発作は一時的で、通常数秒から数分で治まりますが、5~10分以上発作が継続することもあります。これを重積(じゅうせき)発作といい、長時間続けば大きな脳損傷からの後遺症や、最重度であれば命も落とす恐れもある重い発作です。
発作に関する情報は、動物病院での診断や治療方針の判断材料になります。

中々、その時の状態を言葉で伝えるのは難しいことが多いので、動画はおすすめです。
対処法③てんかん発作時の衝突・転倒に注意
- 無理に止めようとしない
- 怪我のリスクがある場所からは遠ざける
- クッションやソファなどの柔らかい場所に誘導する
発作後の徘徊行動はよくあるもので、「落ち着いたら止まる」ことが多いです。
怒ったりせず、そっと見守ることが最善です。
\転倒・衝突対策におすすめの記事/
対処法④発作後の食事・水分は要注意
- 発作直後は飲み込みがうまくできないこともある
- フラつきが落ち着いてから食事や水を与える
- 食欲がない場合は無理に与えない
発作後は、普段と同じようにはいかないことが多いです。
少し時間を置いて、体が落ち着いてからでOKです。
対処法⑤てんかん治療中なら主治医に相談を
- 歩き回りが長く続く、頻度が増えた場合はすぐに相談
- 投薬の調整が必要なこともある
- 病院では動画や発作記録が大きな手がかりになる
「なんとなくいつもと違う」と感じたら、遠慮せずに相談を。
飼い主さんの観察が、早期対応につながります。
Q&A:犬のてんかん発作に関するよくある質問

最後に、実際によくある飼い主さんの悩みをQ&A形式で解説していきます。
Q1:老犬が痙攣後に歩き回るのは異常ですか?
A:老犬でも発作後の徘徊はよくある反応です。
特に高齢になると脳の回復に時間がかかるため、より長く歩き回ることがあります。慌てず見守りましょう。
Q2:犬がてんかん発作後に吠えるのはなぜ?
A:発作後の吠えは混乱や不安のサインです。
自分が置かれた状況に戸惑い、声を出して反応している可能性があります。
優しく声をかけて安心させてあげてください。
Q3:犬がてんかん発作後に歩けない場合は?
A:歩けない場合は、筋肉疲労や神経の一時的な麻痺の可能性があります。
数分~数時間で回復することもありますが、改善しない場合はすぐに病院へ。
Q4:犬のてんかん発作が止まらない場合は?
A:5分以上続く発作や、連続して起こる発作は「緊急状態」です。
すぐに動物病院に連絡し、可能であれば連れていってください。
Q5:てんかん持ちの犬にさつまいもは与えても大丈夫?
A:さつまいもは、脳に良い栄養素であるブドウ糖を含んでいます。
さつまいも、かぼちゃ
脳に必須な栄養素「糖質(糖分)」が多く含まれる。おやつとしてフリーズドライタイプのものが手軽で与えやすい。ただし与えすぎに注意しましょう。
ただし与え方については、てんかん発作の頻度や重症度にもよるため、かかりつけの獣医師に相談することが一番安心です。
まとめ:犬のてんかん発作時は落ち着いた行動を
犬がてんかん発作後に歩き回るのは、脳の回復や混乱、不安などによる発作後の減少として多くみられるものです。
無理に止めず、落ち着いて見守ることで、愛犬のストレスも軽減できます。
症状が続く・変化がある場合は、早めに獣医師へ相談してください。
愛犬の健康を守れるのは、日々そばにいる飼い主さんだけです。
