
酸素室を導入したいけれど、デメリットが知りたいな。

獣医師に酸素室の使用を勧められたんだけど、レンタルにするか買うか迷ってる…
自宅で酸素室を導入されている飼い主さんは結構いますが、初めてだと戸惑いますよね。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
犬の酸素室にデメリットはある?導入前の徹底ガイド
犬の呼吸苦や在宅ケアを支える手段として、酸素室は非常に重要な存在となります。
ただ、「導入して後悔した」という声もあるため、導入前にメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが大切です。
犬の酸素室のデメリットは?
まずは「デメリット」から解説していきます。
導入前に必ず理解すべき重要な情報が沢山あります。

愛犬のためにも、一緒に学んでいきましょう!
デメリット①設備・音・環境の管理が必要
酸素室は医療機器に近い性質があるため、日常的な使用にあたっては一定の準備と環境管理が求められます。
- 酸素濃縮器が発する動作音は「洗濯機の脱水中のよう」と感じる人も
- 密閉された酸素室内は、温度・湿度がこもりやすく、快適な環境を保つには空調や加湿器の併用が必要
- 設置にはある程度のスペースが必要で、電源確保も必須
- 長時間使用する場合、空気の循環や換気にも気を配る必要がある
日常的な家電とは違い、酸素室は環境との相性や調整が重要です。
特に音や湿度管理が必要なため、導入前に家庭内で使用するイメージを作る必要があります。
デメリット②火気や湿度など使用時の注意がある
安全に使うためには、細かな取り扱いルールを守らなければなりません。
特に火気や湿度の管理は重要です。
注意点 | 内容 |
---|---|
火気厳禁 | 酸素は引火性が高いため、喫煙やストーブなどの使用は絶対NG |
湿度管理 | 酸素室内が乾燥しやすく、逆に加湿しすぎるとカビのリスクも |
室温管理 | 室温が高すぎると熱中症の原因になり、低すぎると低体温の危険も |
電源管理 | 酸素濃縮器は常時電源が必要なため、停電時の対応も要検討 |
特に冬場の暖房や喫煙の習慣がある家庭では、環境を整えられるかどうかが導入の大きな判断ポイントとなります。
デメリット③酸素の濃度調整には専門知識が必要
酸素室は「酸素が多ければいい」というものではありません。
適切な濃度管理をしないと、逆に犬の体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
- 大気中の酸素濃度は21%
- 長時間50%以上の高濃度酸素を吸うと「酸素中毒」や「呼吸抑制」のリスク
- 苦しそうに見えるからといって、自己判断で酸素濃度を上げるのは危険
- 犬種や体重、疾患の種類によって適切な濃度が異なる(一般的な目安は30〜40%程度)
- 導入前に「症状が出たとき、どこまで上げていいか」を獣医師と相談する必要がある
過剰な酸素が,生体の解毒機能を超えて有害な作用をきたした状態。
出典:一般社団法人日本救急医学会>酸素中毒
自宅での酸素ケアは、病院と違って医療スタッフがそばにいないため、濃度管理の判断を飼い主が担う場面も出てきます。
そのため、緊急時の対応や調整の基準を「導入時に必ず獣医師とすり合わせておく」ことが、安全な運用のカギとなります。

苦しそうだからと、酸素濃度を上げ続けてしまうと、呼吸抑制の可能性が高くなります。
デメリット④使用期間の見通しが立てにくい
「実際どの位の期間使うのか?」は導入前に悩むポイントとしては、おそらく大きな問題かと思います。
酸素室の導入には高額な初期費用がかかることも少なくありません。
レンタルと購入、それぞれのコストを把握しておきましょう。
- 購入の場合、本体価格が数十万円することも
- 使用期間の予測がつかないと、結果的に「数日しか使わなかった」というケースも
- 獣医師によれば「高齢犬や心臓病など、病状の進行次第では使用期間が数週間で終わることも」
- レンタルなら1日〜1週間単位で利用でき、様子を見ながら延長可能
コスト面での失敗を防ぐには、まずは短期間のレンタルから始め、愛犬の様子や効果を見ながら判断するのが安心です。

動物病院でも貸し出すことはありますが、高額です。
1日3000円~5000円が相場かなと思います。
看取りの期間が1~2日と判断する場合の選択になることが多いですね。
犬の酸素室のメリットは?

ここからは、酸素室のメリットについて解説します!
メリット①呼吸補助で苦しさを軽減できる
心疾患や肺の病気など、呼吸機能が低下している犬にとって、酸素室は大きな助けになります。
- 室内の酸素濃度を高めることで、浅い呼吸でも酸素を効率よく取り込める
- 呼吸が浅く、舌が紫色になる「チアノーゼ」などの症状の緩和につながる
- 苦しそうにハアハアしていた犬が、酸素室内では落ち着いて眠れるようになったという声も
- 散歩ができない状態でも、自宅での呼吸ケアが可能になる
病状によっては酸素室の導入が命をつなぐ手段にもなります。
苦しんでいる愛犬を少しでも楽にしてあげたい、そんな想いに応えてくれる選択肢です。
メリット②自宅で看取りやケアが可能になる
終末期の犬や高齢犬にとって、病院に通い続けることが難しくなることがあります。
そんな時、自宅で過ごせる環境づくりに酸素室が役立ちます。
- 病状が進行し入院がつらい犬でも、家族と過ごせる時間を確保できる
- 看取りの際、「最期まで一緒にいられて良かった」と感じる飼い主が多い
- 高齢犬や持病がある犬の「在宅ケア」ができることで、犬も飼い主も安心できる
- 「慢性心不全や肺疾患」で導入されるケースが多い
自宅で見守るという選択は、犬にとっても飼い主にとっても心の支えになります。
最期まで寄り添える時間をつくる、かけがえのない手段です。

最期の時間は、病院よりも自宅でみんなで過ごしたいと考える飼い主さんが多いですね。
僕たちも、最期は自宅に帰ることを勧めることが多いです。
メリット③病院よりストレスや費用が抑えられる
通院や入院は犬にとって大きなストレスです。
酸素室を自宅に導入することで、その負担を大きく減らせます。
- 通院が難しい場合でも、自宅で酸素管理ができるようになる
- 入院時のようにケージに閉じ込められることがなく、犬もリラックスできる
- 酸素室レンタルは1日あたり数千円程度から可能で、病院の入院費より安いケースも
- 長期的に見れば、費用を抑えつつ安定したケアができる
犬が慣れた自宅で安心して過ごせることは、回復にもプラスになります。
経済的にも精神的にも、飼い主にとって負担を軽減できるのが大きなメリットです。

犬の治療や入院費はかなり高額になることが多いので、私たちも飼い主さんの意向を尊重します。
【必読】犬の酸素室:導入前の徹底ガイド
犬にとって酸素室は命を支える大切な機器ですが、導入にはいくつかの確認ポイントがあります。
ここでは、適用ケース・使用時の注意点・レンタルと購入の判断基準について整理しておきましょう。

さらに詳しく、酸素室の基本的な知識や、レンタルor購入の判断基準について解説していきますね。
犬の酸素室が適用されるケースは?
酸素室の利用が推奨されるのは、次のような犬たちです。
- 終末期ケアや在宅での看取りを希望する場合
→ 獣医師パパによれば、心臓疾患で通院が困難になった犬に導入されるケースが多いとのこと - 外出や通院によるストレスが大きい犬
→ 高齢犬や神経質な子、入院が難しい性格の子にも適しています - 呼吸が苦しそうだが、まだ中等度〜軽度の段階にある場合
→ 酸素供給により症状の悪化を防ぎ、日常生活の質を保つことができます
これらのケースでは、酸素室によって犬も飼い主も心身の負担が軽くなり、穏やかな時間を作ることができます。
犬の酸素室の注意点・使用ポイント
酸素室は便利な反面、使用時にはいくつかの細かい配慮が必要です。
- 火気厳禁(酸素は非常に燃えやすいため、ストーブやタバコなどの火気は厳禁)
- 室内のホコリ対策やフィルター掃除など、定期的なメンテナンスが必要
- 温湿度モニターを設置し、室温や湿度が極端にならないよう注意する
- 酸素濃度が高くなりすぎないよう換気を意識すること(通気性・排気口設計も重要)
- 停電時に備えた対応策(ポータブル電源や移動できる代替ケア)を用意しておく
- 長期使用による機器の劣化や故障にも備えておく必要あり
こうした安全対策やケア体制が整えられるかどうかも、導入前の大切な判断材料です。
犬の酸素室はレンタル?購入?判断目安
酸素室はレンタルと購入の2つの導入方法がありますが、選び方次第でコストや運用負担が大きく変わってきます。
犬の酸素室:レンタルが向いている場合
- 使用期間が短くなる可能性がある(例:一時的な急性症状)
- 初期費用を抑えたい(数千円〜/日で開始可能)
- 維持管理やトラブル時に、業者のサポートが受けられる
- テルコム株式会社など、多くの業者が選択肢として存在する
犬の酸素室:購入が向いている場合
- 長期的な使用が前提(慢性疾患や終末期ケア)
- レンタル費が積み重なり、結果的に高くなる見込みがある
- 自宅に保守・清掃の知識や体制があり、メンテナンスできる環境が整っている
レンタル・購入を判断するポイント
- 使用想定期間(例:数日〜数ヶ月 or 年単位)
- 自宅のスペースや設置環境(空調・電源の余力含む)
- 故障時の保証や業者サポートの有無
- 総費用の見積もり(レンタル累積 vs 本体価格+維持費)
レンタルで試してから購入を検討する「ステップ導入」もおすすめです。
業者によっては、そのまま購入に切り替えられるプランもあります。
【Q&A】犬の酸素室に関するよくある質問

最後に、実際によくある飼い主さんの悩みをQ&A形式で解説していきます。
Q1:犬の酸素室の効果はどのくらいあるの?
A:症状や病気の種類によりますが、心臓や肺の病気による呼吸困難を和らげる効果があります。
呼吸が浅くても酸素が届きやすくなり、体の負担が軽くなるケースが多いです。
1番は病院への通院自体のストレスや体力の消耗が軽減出来ることもメリットだと考えます。
Q2:犬の酸素室の濃度どれくらいが適切?
A:一般的には酸素濃度30〜40%を目安に使用されるようです。
高すぎても低すぎても良くないため、獣医師の指導のもとで調整することが重要です。
Q3:犬が酸素室で苦しそうに見えるけど大丈夫?
A:見た目だけで判断せず、呼吸の状態や全体の様子をしっかり観察しましょう。
酸素室に入っている犬が「苦しそう」に見えることがありますが、それは必ずしも危険な状態とは限りません。
また、苦しそうだからと言って、酸素濃度をどんどんあげてしまうと、呼吸抑制に発展するリスクがあるので、酸素濃度は事前に獣医師と決めた濃度内での調整にしましょう。
Q4:犬を酸素室に入れっぱなしでも問題?
A:基本的に、病状によっては酸素室に入れっぱなしでも問題ありません。
特に呼吸状態が不安定な犬や終末期のケアでは、安定した酸素供給を続けることが優先されます。
ただし、室内の酸素濃度・湿度・温度の管理や、犬の体調観察はこまめに行う必要があります。
逆に頻繁に出し入れすると、酸素濃度が不安定になりやすいため、必要時のみ最小限の開閉で対応するのが理想です。
Q5:犬の酸素室はいつまで使える?
A:症状や経過によって異なります。
呼吸が安定すれば使用をやめることもありますし、終末期には最期まで使うケースも。獣医師の判断をもとに調整していきましょう。
まとめ:犬の酸素室はデメリットを知ってこそ賢く選ぼう
犬の酸素室には、確かにデメリットもありますが、環境を整えて正しく使えば大きな安心を与えてくれる存在です。
レンタルで試してみる、使用環境を整えるなど、少しの工夫で後悔のない導入が可能になります。
まずは獣医師に相談しながら、愛犬にとって本当に必要なタイミングや使い方を一緒に考えてみましょう。
大切な家族だからこそ、最善の選択をしていきたいですね。