
先生に「全抜歯が必要」と言われたけど、本当にそこまでする必要あるのかな…?

抜歯した後にご飯を食べなくなったって聞いて、後悔しないか心配で…
愛猫の抜歯は、全身麻酔が必要な処置だからこそ、不安や迷いが生まれますよね。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫の抜歯は後悔する?本当に必要?獣医師パパが徹底解説
この記事では、獣医師であり猫の飼い主でもある立場から「本当に必要かどうか」「後悔しない判断のヒント」を丁寧に解説していきます。

一緒に勉強していきましょう!
猫の抜歯で後悔を防ぐ知識
①重度の口内炎・歯周病には有効
猫の口腔トラブルの中でも、慢性口内炎や重度の歯周病は強い痛みや食欲不振の原因になります。
世界的に3歳齢以上の犬猫の80%以上は歯周病に罹患しているといわれており,この数値の高さから歯周病は,あらゆる疾患の中でも最も罹患率の高い疾患と思われる.

ちなみに僕も、歯周病の診断で歯石除去と、抜歯手術をやってもらったよ!
・歯がグラグラで抜けそう
・口臭が強くなった
・歯茎の発赤や腫れ
こんな症状があって、辛かったんだ。
抗生物質やステロイド治療が効かない場合、抜歯が最も効果的な根本治療になることが多いです。
実際に、抜歯後に劇的に元気を取り戻した猫も多く報告されています。

犬猫の抜歯は、病院内での手術でも件数が多い症例です。
猫の抜歯で後悔を防ぐ知識
②術後ケアの十分な理解が必要
術後に「後悔した」と感じる飼い主の多くは、術後の生活の変化に備えていなかったことが原因です。
手術後は一時的に食欲が落ちたり、食べ方が変わることもありますが、多くの猫は数日〜1週間で順応します。
麻酔や通院のストレス、食事の工夫など、事前にしっかりと知っておくことが大切です。
猫の抜歯で後悔を防ぐ知識
③治療や副作用、費用の事前理解
抜歯は大きな決断だからこそ、治療内容・術後の変化・費用について事前に正しく理解しておくことが後悔を防ぐカギとなります。
抜歯は「部分抜歯」か「全抜歯」かによって猫の負担や術後の生活が大きく変わります。
納得して治療に臨むためには、獣医師からの説明をしっかり受け、自分でも調べた上で質問する姿勢が大切です。

治療内容・副作用・費用すべてを理解しておくことで、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を避けることができます。
猫の抜歯で後悔を防ぐ|メリットとデメリットを解説

猫の抜歯には明確なメリットもあれば、注意すべきデメリットも存在します。
それぞれを正しく知ることが、納得できる判断につながります。
猫の抜歯のメリット
- 慢性的な痛みや炎症から解放される
- 食欲や元気が回復する可能性が高い
- 長期的な投薬や通院のストレスが減る
特に重度の歯肉口内炎に悩む猫にとっては、抜歯が生活の質(QOL)を大きく改善する最良の選択肢になることもあります。
猫の抜歯のデメリット
- 術後の痛みや食欲不振が出ることがある
- 麻酔リスク(特に高齢猫や慢性疾患のある猫)
- 一時的に食べ方や生活習慣が変わる
- 治療費用が高額になるケースが多い
術後の変化を想定した準備と心構えが、後悔を避けるポイントになります。
猫の全身麻酔による副作用
猫に全身麻酔をかけると、まれに呼吸抑制・低体温・心拍低下などの副作用が見られることがあります。
特に高齢猫や腎臓・肝臓に疾患がある場合は、麻酔からの覚醒が遅れたり、術後に体調を崩すリスクが高まります。
また、麻酔後に食欲不振や元気消失が一時的に起こることもあります。そのため、病院では基本的に事前の血液検査や健康チェックを行います。
猫の抜歯の費用目安
猫の歯科処置には、歯石除去と抜歯があり、それぞれ費用が大きく異なります。
事前に目安を知っておくことで、納得のいく判断がしやすくなります。
歯石除去の場合の料金相場
歯石除去(スケーリング)は、軽度の歯周病や予防目的で行われる処置です。
人間とは違い、歯石除去でも全身麻酔が必要となるため、費用は比較的高めになります。
■歯石除去費用の目安
治療費は動物病院によっても差はありますが、比較的高額で5~10万円ほど必要になるケースがほとんどです。
抜歯の場合の料金相場
抜歯は、口内炎や歯周病が重度の場合に行われる治療で、処置本数や難易度により費用が大きく変わります。
全身麻酔が前提となるため、麻酔前検査(血液検査・レントゲンなど)が必要になることが一般的です。
目安としては、1本1万円前後のため総額で10万円前後、全抜歯だと20万を超えるケースもあるため、見積もりは事前に確認しておきましょう。
猫の抜歯をして後悔する飼い主さんの理由
実際に抜歯を経験した飼い主が「後悔した」と感じた理由には、以下のようなものがあります。
猫の抜歯術後の不調が長引いた
術後に食欲が戻らなかったり、元気がない様子が続くと、「本当に良かったのか?」という不安を感じやすくなります。
しかし多くの猫は1週間程度で回復します。経過観察の期間を理解しておくことが重要です。
猫の全抜歯でショックを受けた
「かわいそう」「全部歯を抜くなんて…」と感じる心理的なショックは、人間側の感情に由来するものです。
猫は意外にも歯がなくても問題なく生活できます。
見た目の変化よりも、猫自身の快適さを優先して考えることが大切です。
獣医師とのコミュニケーション不足
抜歯の目的やリスク、術後の生活について、十分な説明がないまま進めてしまうと後悔につながります。
特に思ったよりも高額だったと、費用面での後悔も多いようです。
信頼できる獣医師を見つけ、納得できるまで説明を受けることが、安心した選択につながります。
猫の抜歯に迷ったときの判断基準
抜歯を検討すべきかどうかを見極めるポイントや、迷ったときの対処法を紹介します。
こんな症状があるなら抜歯を検討すべき
- よだれや口臭がひどくなっている
- 食欲がなく、口元を気にする
- 歯茎が赤く腫れている・出血がある
- 歯がグラグラして抜けそう

これらの症状は、歯肉口内炎や歯周病が進行しているサインです。
重症化すると痛みで食事が取れず、栄養不良や脱水のリスク、また心臓や腎臓病の発症にも関わることもあります。
そのまま放置して重症化すると、命に関わるケースもあります。
そのため、抜歯は「最終手段」ではなく、猫の命やQOL(生活の質)を守るための適切な治療として必要になることがあります。
症状を見逃さず、早めの判断と獣医師への相談が大切です。
セカンドオピニオンを活用しよう
判断に迷ったときは、他院で診てもらうことも選択肢のひとつです。
治療方針が異なる場合もあり、自分と猫にとって最適な方法を比較・検討することができます。
複数の獣医師の意見を聞くことで、納得感のある選択が可能になります。

最近では、歯科治療を専門とした動物病院もあります。
一度治療方針や料金含めて、話を聞いてみても良いかもしれません。
猫の歯を守るためのデンタルケア習慣
この章は以下のような飼い主さんに向けた内容です。
抜歯に至る前の段階でどんな予防ができるかを知っておくことは、猫の健康寿命を守るうえで非常に大切です。
ここでは、無理なく始められるデンタルケア習慣と、継続するための工夫をわかりやすく解説します。
なぜ猫にデンタルケアが必要なのか?
猫は虫歯にはなりにくいものの、歯周病になりやすい動物です。
歯周病は口腔内だけでなく、腎臓や心臓など全身の健康にも影響を及ぼすため、放置すると大きな健康リスクとなります。
自宅でできる猫のデンタルケア方法
方法 | 特徴 | 頻度の目安 |
---|---|---|
猫用歯ブラシ・ガーゼ磨き | 少しずつ口に触れる練習から始める | 週2~3回が理想 |
歯磨きシート・ジェル | 嫌がる猫にも使いやすい。口臭対策にも◎ | 毎日または2日に1回 |
デンタルフード・おやつ | 咀嚼による歯垢除去のサポート | 主食ではなく補助的に活用 |
定期的な動物病院でのチェック | 歯石の確認や初期症状の早期発見に有効 | 健康診断時に年1~2回程度 |
デンタルケアは無理せず、「できる範囲から始める」のが成功のコツです。
最初は数秒でも口に触れられるようになればOK。徐々に習慣化していくことが大切です。
続けることで抜歯リスクを減らせる
口腔内の汚れが歯石になり、歯周病が進行してからでは、抜歯以外に選択肢がなくなることもあります。
だからこそ、早い段階からの予防が重要です。
「抜歯なんてかわいそう…」と感じている方ほど、今からケアを始めておくことが後悔のない未来につながります。

飼い主のちょっとした気づかいや努力が、猫の健康寿命を大きく左右します。
まとめ:猫の抜歯を後悔しないためには事前理解が大切
猫の抜歯は必要な症状に対しては非常に有効な治療法です。
ただし、「後悔した」と感じる飼い主がいるのも事実です。
症状の深刻度、術後のケア、獣医師との信頼関係などを総合的に判断し、納得できる選択をすることが何よりも大切です。
迷ったときは、一人で抱え込まず、信頼できる専門家に相談しながら、猫にとってベストな道を選んであげましょう。