
うちの猫、フードには見向きもしないのに、チュールだけはすごく食べるんです…

この状態が続くと、きっと健康によくないよね…?
「おやつしか食べない」という悩みも実は多いんです。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫がご飯を食べないのにチュールは食べる理由は?5つの対策
猫がご飯を食べず、チュールだけを好んで食べる…この行動には、ちゃんとした理由があります。
ここではまず、なぜ猫が「チュールだけ」を選ぶのか、その主な理由を5つの視点から整理してお伝えします。

一緒に勉強していきましょう!
チュールは食べる理由①病的要因の確認
- 口内のトラブル(歯周病・口内炎など)により、固形のフードを食べると痛みを感じる
- 老化による嚥下力の低下で、硬いご飯を避けて柔らかいものを選ぶ
- 内臓疾患や体調不良により、全体的に食欲が落ちる中、香りが強いチュールだけはかろうじて受け入れられる
猫は体調が少し悪くなるだけでも、食事に敏感になります。
ドライフードを嫌がり、柔らかくて匂いの強いチュールだけを食べるようになるのは、口や内臓の不調が背景にある可能性があります。

猫の歯のトラブルは、非常に多いです!
チュールは食べる理由②味・食感の好みの偏り
- チュールは香りが強く、味も濃いため猫の嗜好を強く刺激する
- ドライフードは香りが立ちにくく、飽きやすい傾向がある
- ウェットやパテタイプのフードであれば食べる猫も多い
チュールは、いわば「猫用のスイーツ」のような存在。
人間で言えば、体調が悪くてもゼリーやプリンだけは食べられる……という感覚に近いかもしれません。
チュールは食べる理由③食事環境の影響
- 騒がしい場所や他の動物との距離が近いと、落ち着いて食事できない
- 食器の素材や高さが猫に合っていないと、フードを敬遠することも
- 食事中に人が動く、掃除機の音がするなど、小さなストレス要因も影響する
猫にとって「安心して食べられる空間」は非常に重要です。
チュールは手で与えることが多く、猫が「安心できる飼い主の手から直接食べられる」ことも、好まれる理由の一つです。
チュールは食べる理由④習慣と与え方の影響
- チュールを頻繁に与えてしまうと、猫が“チュール待ち”になってしまう
- ドライフードを食べる前に満腹になり、ご飯に興味を示さなくなる
- 「チュールがもらえるまで粘ればいい」と学習してしまうことも
無意識のうちに、「甘やかしサイクル」を作ってしまっているケースもよくあります。
人間が与えるタイミング・頻度によって、猫の食習慣は大きく変化します。
チュールは食べる理由⑤獣医への相談が必要な場合も
- どれだけ工夫しても食べない場合、病気や痛みが隠れている可能性あり
- 体重が減っている/元気がない/水も飲まないなどは早急な受診が必要
- 獣医師の診断によって、フードの変更や治療で改善するケースも多い
「様子を見ていたらそのうち食べるだろう」は猫には通用しないこともあります。
ご飯を食べない期間が長引くと、肝リピドーシス(脂肪肝)のような命に関わる疾患を引き起こすことも。
症状
元気消失や食欲低下、嘔吐などがみられ、また寝ている時間が多くなります。
病状が進むと、黄疸(眼の結膜や口の中の粘膜が黄色くなる症状)が見られ、よだれや意識障害を起こすこともあります。
チュールしか食べない日が丸1日以上続くなら、動物病院への受診が必要です。
猫がご飯を食べないのにチュールは食べる時の5つの対策

ここからは、チュールだけを食べるようになった猫に対して、飼い主が今すぐできる5つの具体的な対策を紹介します。

少しずつ取り入れて、猫の「ごはん習慣」を取り戻していきましょう。
対策①おやつ・チュールの使用制限
- チュールは「ご飯後のご褒美」にする
- 与える頻度を1日1回以内に制限
- 空腹感をしっかり作るために、ご飯の時間を先に設定する
チュールは猫の楽しみの一つですが、「おやつ」としての位置づけを崩してはいけません。
最初は拒否されても、「ご飯を食べればもらえる」という形に戻すことで、習慣が整っていきます。
対策②食感・香りを変える試み
- パテ状やスープ系フードを混ぜてみる
- ご飯を電子レンジで10秒ほど温め、香りを強くする
- フードの種類を1週間単位でローテーションする
味覚よりも嗅覚に頼る猫にとって、「香りの強さ」は食欲を左右する重要な要素です。
嗜好の幅を広げるためにも、少しずつ異なるタイプのフードを試してみましょう。
対策③食器・食事場所の改善
- 食器をプラスチックから陶器やガラスに変更
- 食器の高さを調整して、首に負担がかからないようにする
- 静かで落ち着いた空間で食べられるように配置
ちょっとした音や反射光、他の動物の存在などがストレスとなり、食欲を減退させることがあります。
「隠れ家のような食事スペース」を作ってあげると、食べてくれるようになるケースも多いです。
対策④食事リズムの見直しと運動
- ご飯の時間を毎日同じにしてリズムを作る
- 食事の30分前におもちゃで遊ばせ、空腹感を刺激
- 間食をやめて、自然にお腹を空かせる工夫をする
猫はルーティンを好む動物です。
「決まった時間にご飯が出る」と認識すれば、それを待ち望むようになります。
遊びによる運動は、消化機能や食欲の刺激にもつながります。
対策⑤健康チェックと獣医の相談
- 歯茎の腫れ、口臭、体重の急な減少などに注意
- 最低でも年1回の健康診断を
- 「元気があるけど食べない」は要注意サイン
「なんとなく変だな」と思ったら、すぐにプロの診断を仰ぎましょう。
問題がないとわかるだけでも安心できますし、実際に治療が必要なケースも珍しくありません。
【Q&A】猫がご飯を食べないことに関するよくある悩み

最後に、実際によくある飼い主さんの疑問をQ&A形式で解説していきます。
Q1:猫が体調不良時にチュールしか食べないのは大丈夫?
A:口腔内の痛みや胃腸の不調があると、食欲が落ちて柔らかいものしか食べられなくなる場合があります。
病気の兆候の可能性があるため、長引くようなら早めに受診を。
Q2:猫がカリカリを急に食べない…
A:急な変化には理由があります。
フードの劣化や歯の痛み、ストレスなどが考えられます。環境やフードの変化がなかったか確認しましょう。
Q3:猫がご飯を食べないのにチュールは食べる…でも元気がない…
A:この状態はとても危険です。
元気がない上にご飯を食べない場合、深刻な疾患が隠れていることがあります。すぐに獣医の診察を受けましょう。
Q4:猫がご飯食べないしチュールも食べないのは危険?
A:何も食べない状態は緊急事態です。
24時間以上食事も水分も取らない場合は、脱水や肝臓へのダメージが起こる可能性があります。
すぐに病院へ連れていきましょう。
まとめ:猫の偏食や食生活の乱れは見直そう
チュールだけを食べる猫には、病気・好み・環境・習慣といった複数の要素が絡んでいます。
まずは原因を正しく見極め、それぞれに対応した5つの対策を丁寧に試してみましょう。
すぐに変化が出るとは限りませんが、小さな工夫の積み重ねが大きな成果につながります。
そして、少しでも異常を感じたら、獣医師の診察を受けることも忘れずに。

愛猫の健康を守るのは、日々そばにいる飼い主さんの気づきと行動です。