
猫同士に上下関係ってあるのかな?

グルーミングはただの愛情表現ではない?
実は、猫のグルーミングには“猫社会のルール”が反映されていることがあります。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫同士のグルーミングで上下関係が分かる?猫社会のルール
猫が他の猫をグルーミングする行動(アログルーミング)は、見ていてほほえましいものですが、実は猫社会における“序列”や“信頼”を反映した行動でもあります。
まずは、グルーミングから分かることをまとめておきます。
他にもコミュニケーション方法として行います。一人で行うグルーミングは『セルフグルーミング』というのに対して『アログルーミング』と呼ばれる仲の良い猫同士のみが行うコミュニケーションがあります。

一緒に学んでいきましょう!
猫のグルーミング
①舐める側が優位の傾向あり
- 頭を舐める・先に近づいて舐め始める行動は、優位な猫に多い
- 支配や安心の表れとして、舐めることで関係性をコントロールしていることも
猫は犬のようなはっきりとした上下関係ではありませんが、グルーミングにおいては立場の強さが反映されることがあります。
特に、リーダー気質の猫が周囲の猫を舐める傾向が強く、自分の存在を穏やかにアピールしているケースも少なくありません。
猫のグルーミング
②一方的な関係には意味がある
- 一方だけが舐め、もう一方は舐め返さないことが多い
- そのまま受け入れている=上下関係が安定している証拠とも言える
グルーミングされる側がされっぱなしになっていると、「支配されているのでは?」と心配になるかもしれません。
しかし、それは争いを避けるためのバランスだったり、猫同士の関係が安定している証とも言えます。
一見不公平に見える行動にも、猫なりの意味があるのです。
猫のグルーミング
③仲良しサインでもある
- 親子猫や兄弟猫に多く見られる行動
- 信頼関係が強い証拠で、愛情を交わしているサイン
グルーミングは上下関係の表れである一方、仲の良さや絆の深さを示す行動でもあります。
特に幼い頃から一緒に育った猫たちは、順位とは関係なく頻繁にグルーミングを交わすことが多く、まるで人間の「なでなで」のように愛情を表現しているのです。
猫のグルーミング
④猫の性格差も影響する
- 穏やか・面倒見がいい猫はグルーミングしやすい
- 気分屋の猫やマイペースな猫は、たまにしかしない
すべてのグルーミングが上下関係に基づくわけではありません。
猫それぞれの性格によっても行動パターンは異なります。
例えば、世話好きな性格の猫は順位に関係なく他の猫を舐めますし、反対に気の強い猫は気分次第で舐めたり無視したりすることもあります。
猫の上下関係の見分け方:猫社会のルール

猫同士の上下関係は一見わかりにくいですが、実は行動のひとつひとつにサインが隠れています。
この章では、もっと知りたい方向けに猫社会における上下関係の特徴や見分け方、そして飼い主との関係性までをわかりやすく解説します。
猫にとっての「上下関係」とは?
猫は犬のように「はっきりとしたボス」がいるわけではなく、非常に柔軟な社会性を持っています。
その場の状況や相手によって主導権が変わることが多く、食事のタイミングや遊び、居場所の取り合いなどでその違いが見えてきます。
特に興味深いのは、猫が“あえて主張しない”ことも多い点。
優位であっても相手に譲ることがあり、力で支配するのではなく、静かなバランスで関係性が保たれているのが猫社会の特徴です。
行動パターン別:猫の上下関係の見分け方
以下のような日常的な行動から、猫たちの上下関係が読み取れることがあります。
行動パターン | 上下関係の見え方 |
---|---|
グルーミング | 舐める側が優位な傾向がある(ただし例外も) |
食事の順番 | 先に食べる猫が立場が強い可能性 |
ケンカの場面 | 自ら退く猫=劣位を受け入れている場合が多い |
寝床の場所取り | 高い場所・日当たりのいい場所をキープする猫が優位 |
ただし、これらは「絶対的なルール」ではありません。
猫の性格や、その時の気分、新しい猫の登場などで関係性は変化します。
猫は飼い主とも上下関係を作る?家族内での違い

わが家の猫は、私としか一緒に寝ません。
「猫って飼い主の誰になつくの?」「うちの子、ママには甘えるけどパパにはそっけない…」そんなふうに感じたことはありませんか?
猫は人間に対して犬のような明確な“主従関係”を作るわけではありませんが、それぞれの人との「距離感」や「関係性」はしっかりと分けて認識しています。
猫は家族内でも「どんな関係」か判断する
- ママにはべったり甘えて一緒に寝る
- パパにはスリスリするけど、あまり抱っこされない
- 子どもとは遊ぶけど、距離は一定に保つ
といったように、同じ家族の中でも猫が人によって態度を変えるのはよくあることです。
これは、猫がその人の接し方や雰囲気、日々の関わり方をよく観察して「この人とはこういう関係」と判断しているからです。
猫は飼い主とも上下関係を作る?

わが家の猫は、僕の前でのいたずらは少ないですね。
猫にとっての上下関係は、人間のような「偉い・偉くない」という感覚とは少し違います。
- 自分の要求が通りやすい人
- 拒否されずに甘えられる人
- 逆に強く出られない相手(=少し緊張する相手)
などに対して、「この人には遠慮しなくていい」「この人にはあまり逆らえない」といった、ある種の“立場の意識”を持っている可能性はあります。
【Q&A】猫のグルーミングに関するよくある悩み

最後に、実際によくある飼い主さんの疑問をQ&A形式で解説していきます。
Q1:猫のアログルーミングがしつこいのは問題?
A:過剰なグルーミングは、ストレスや支配行動の表れかもしれません。
舐められる側が嫌がっている様子があれば、距離を取れる環境を整えてあげましょう。
Q2:猫がアログルーミングを嫌がるときはどうすればいい?
A:舐められること自体がストレスになっている可能性があります。
無理に関係を深めようとせず、それぞれの猫が安心して過ごせるスペースを確保してあげましょう。
Q3:猫は飼い主と上下関係を作る?
A:猫は人間と主従関係を築くというよりも、「信頼できる存在」として認識します。
無理な上下関係を作ろうとせず、猫のペースを尊重した接し方が大切です。
Q4:猫の上下関係の見分け方はある?
A:グルーミングの頻度、食事の順番、寝場所の優先など複数の行動から推測できます。
1つの行動だけでなく、総合的に観察することがポイントです。
まとめ:グルーミングで分かる猫社会のルール
猫同士のグルーミングには、愛情表現や信頼関係、そして上下関係のサインが複雑に絡み合っています。
特に多頭飼いをしている場合、この行動を正しく理解することは、トラブル回避にもつながります。
猫たちは人間とは違った形で関係性を築いています。
その柔らかな“猫社会のルール”を知ることで、あなたの猫ライフがもっと楽しく、豊かなものになるでしょう。