
うちの犬、キャットフードしか喜ばなくて、ドッグフードを食べようとしないんです…

猫と犬を一緒に飼っているので、猫のご飯を置いたらすぐ犬が取ってしまって…これって健康に悪いのかな?
愛犬が健康で長く暮らせるように、そして家族みんなが安心できる方法を一緒に考えていきましょう。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
犬がキャットフードしか食べない理由は?健康リスクと対応策
猫と犬の多頭飼いでは、犬がキャットフードを好んでしまうケースは珍しくありません。
その背景には味や習慣、環境などいくつかの理由があるのです。

一緒に勉強していきましょう!
キャットフードしか食べない理由
①香りと味が強くて魅力的
- キャットフードは香りや旨味が強く、犬にとっても魅力的
- 脂肪分や動物性タンパク質が濃く、嗅覚の鋭い犬は惹きつけられやすい
- ドッグフードよりも「ごちそう感」が強いため、選ばれやすい
キャットフードは本来、猫の強い嗜好性に合わせて設計されています。
結果として犬の嗅覚や味覚にも訴える内容となっており、ドッグフードよりも好まれてしまうことがあるのです。
キャットフードしか食べない理由
②習慣づけ・癖になった
- 一度「おいしい」と感じた味への執着が強くなりやすい
- キャットフード=ご褒美という認識が定着することも
- ドッグフードを拒否するようになり、偏食が進む
犬も繰り返しの経験から「好み」を作り上げていきます。

人間と一緒ですね。
キャットフードしか食べない理由
③食事環境の混在
- 猫のごはんが常に見える/出しっぱなしの状況
- 犬が簡単に猫の食器にアクセスできる配置
- 食べ残しやタイミングのズレが原因で猫のごはんを奪いやすくなる
特に猫は「ちょこちょこ食べる」習性があり、食べ残しが多い傾向にあります。
食事の管理をしっかり行わないと、犬が自然とキャットフードを食べてしまう環境になってしまいます。
犬がキャットフードを食べ続ける健康リスクを解説
犬にとってキャットフードは“美味しい誘惑”ではありますが、続けて与えることには健康上のリスクがあります。
犬と猫では栄養バランスが根本的に異なるからです。
・犬は、人と長い間、共同生活していく中で雑食性が進みましたが、人よりもたんぱく質を多く必要とします。
・猫は、人と暮らし続けていても肉食性を保ち続けたため、人や犬に比べてたんぱく質を多く必要とします。

それでは、もう少し詳しく解説していきます。
健康リスク①栄養バランスの偏り
- タンパク質・脂肪が犬にとって過剰になりやすい
- ビタミン・ミネラルの構成が犬の体に合わない
- 長期的に見ると、栄養過多または欠乏症のリスクが高まる
犬の体は、キャットフードの成分バランスを消化・吸収する前提で作られていません。
猫に必要な栄養(タウリンなど)や塩分量は、犬にとって過剰であることが多く、健康トラブルの原因になります。
健康リスク②臓器への負担
- 高タンパク・高脂肪により、肝臓や腎臓へ過度な負担がかかる
- リンやナトリウムなどが多く、心臓・腎疾患リスクを高める
- 小型犬やシニア犬では症状が出やすく、注意が必要
キャットフードの栄養設計は猫の代謝に合わせて調整されています。
そのため、犬にとっては“過剰”になりがちで、臓器に負担が集中しやすくなるのです。
健康リスク③肥満・尿路トラブル
- キャットフードはカロリーが高く、少量で太りやすい
- 運動量が少ない犬は特に体重増加の傾向に
- ミネラルバランスの崩れから尿路結石のリスクも
肥満はあらゆる生活習慣病の引き金になります。
また、過剰なリン・マグネシウムは尿のpHバランスを乱し、膀胱炎や尿石症などのトラブルに繋がる可能性もあります。
キャットフードしか食べない犬への対応策

キャットフードへの依存は時間をかけて改善することが重要です。

焦らず、正しい対応を実践することで犬の健康を守りましょう。
対応①食事スペースの分離・工夫
- 猫の食事場所を高い位置に設置し、犬が届かないようにする
- キャットタワーや棚の上など猫専用の場所を作る
- 猫が食べ終えたらすぐに食器を片付ける習慣をつける
環境の工夫だけでも、犬がキャットフードを食べる機会を大きく減らせます。
視覚的・嗅覚的な誘惑を避けるのがポイントです。
対応②ドッグフードへの切り替え
ステップ | 内容 |
---|---|
1日目〜3日目 | キャットフード9:ドッグフード1 |
4日目〜7日目 | キャットフード7:ドッグフード3 |
8日目〜 | 徐々にキャットフードを減らし、ドッグフード主体へ |
混ぜる割合を調整しながら徐々に切り替えていくことで、犬も違和感なく移行しやすくなります。
食いつきが悪い場合は、鶏ささみや野菜トッピングなども活用しましょう。
対応③食事のルール・習慣を整える
- 毎日決まった時間に食事を出す
- 食べ残しは10~15分で片付ける
- 静かで落ち着いた環境で、犬猫それぞれの食事スペースを確保する
犬にとっても「食事にはルールがある」と理解させることが大切です。
習慣化することで、無駄な誘惑を防ぐ効果もあります。
対応④やってはいけない対応
- キャットフードを「おねだりされたから」と与え続ける
- ドッグフードを食べないからと絶食させたり怒る
- 人間の食べ物で代用する
間違った対応は逆効果になります。
犬にとって“食べること=安心と喜び”であるため、ポジティブな印象を残しながら徐々に改善していくのが成功の鍵です。
【Q&A】犬とキャットフードに関するよくある悩み
最後に、実際によくある飼い主さんの疑問をQ&A形式で解説していきます。
Q1:老犬にキャットフードを与えてもいい?
A:基本的にはおすすめできません。
老犬は臓器の機能が低下していることが多く、キャットフードの高脂肪・高タンパクは負担になります。
専用のシニア用ドッグフードで栄養を管理する方が安全です。
Q2:犬がキャットフードを食べると下痢になる?
A:下痢になる可能性はあるでしょう。
特に消化が弱い子犬やシニア犬は、成分の違いによって胃腸が敏感に反応し、下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。
Q3:犬に猫のおやつをあげても大丈夫?
A:時々であれば害にはなりませんが、日常的に与えるのはNGです。
猫用おやつは犬にとって塩分や脂肪が多すぎることがあるため、犬用の専用おやつを選びましょう。
Q4:犬用と猫用のおやつの違いって何?
A:主な違いは栄養バランスと嗜好性です。
猫用はタンパク質・脂肪・タウリンが豊富で香りも強め、犬用は食物繊維や歯の健康に配慮された成分が多いです。
それぞれの動物に合った設計なので、間違えて与えると健康を損ねる可能性があります。
まとめ:犬の健康を守るために食事を見直そう
犬がキャットフードしか食べないという悩みには、必ず理由があります。
香りや習慣、環境といった要素を一つずつ見直し、犬にとって適切な食生活を整えていくことが何よりも大切です。
キャットフードを与え続けるのではなく、少しずつ正しい方向へ導いていきましょう。
猫と犬の共生を楽しみながら、どちらも健康で過ごせる毎日を目指してください。