
うちの猫、腎不全だけどチュールしか食べてくれなくて…

療法食をあげたいけど、全然口をつけないんです。
心配になりますよね。今回は猫ちゃんの状態に合わせた“今できる栄養管理”をご提案します。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
腎不全の猫がチュールしか食べない悩み|状態別の栄養管理
腎不全でチュールしか食べない猫にとって、「今、どんな状態か」によって正解は異なります。
以下の5つの視点から、状態に応じた最善策をご紹介します。

一緒に勉強していきましょう!
腎不全の猫がチュールしか食べない
①治療段階:療法食と混ぜる
まだ治療可能な初期〜中期の腎不全では、療法食が最も効果的な選択肢です。
チュールしか食べない場合は、療法食をチュールと混ぜて与える、香りを引き立てる、温めるなどの工夫で少しずつ慣らしていきましょう。
- 最初はほんの少量から混ぜる
- 温めて香りを強くすると食いつきアップ
- 水分を加えてとろみを出すと飲み込みやすい
焦らず、数日~数週間かけて少しずつ慣れさせることが大切です。
腎不全の猫がチュールしか食べない
②腎不全&高齢猫:補助食の導入
高齢猫の場合、腎不全と加齢に伴う嗜好の変化や食欲低下が重なり、食事に苦労することが多くなります。
- 腎臓に優しい成分(低リン・低ナトリウム)
- 飲み込みやすい液状・ムースタイプ
- 総合栄養食に近い栄養バランス
無理に療法食にこだわらず、補助食の活用などで「食べること」を優先してみても良いかもしれません。
腎不全の猫がチュールしか食べない
③末期の腎不全:好きなものを
末期になると、食欲不振・吐き気・倦怠感などで、食べること自体がつらくなる猫も多くいます。
この段階では「食べさせる」ことより、「無理なく少しでも口にする」ことを大切にしましょう。
- 好きなチュールは与えてOK
- 一度にたくさんではなく、回数を分けて
- 冷たいままだと食べないこともあるため、人肌程度に温めて
無理に療法食や補助食を与えるよりも、チュールだけでも食べられていることを褒めてあげましょう。
腎不全の猫がチュールしか食べない
④腎臓の負担が少ないおやつへ変更
どんな段階だとしても、少しでも体の不安を減らしたい気持ちも分かります。
通常のチュールはリンやナトリウムが高く、腎不全の猫には負担になることがあるため、おやつ自体の変更をおすすめします。
- 「腎臓配慮」や「総合栄養食」表示があるものを選ぶ
- 成分表示でリン・ナトリウム量をチェック
- 同じチュールでも「ちゅ~る 総合栄養食」や「腎臓ケアちゅ~る」がある
慢性腎臓病の進行を抑えるためには、たんぱく質・リン・ナトリウムを制限し、オメガ3脂肪酸・食物繊維・カリウムなどを強化した食事が必要になります。

体への負担を減らしながら、愛猫の満足度も大切にしてあげましょう。
腎不全の猫がチュールしか食べない
⑤水分補給は“段階に応じて慎重に”
腎不全の猫は脱水になりやすく、基本的には水分補給がとても重要です。
ただし、末期になると体が水分を処理できず、むくみや呼吸困難を引き起こすケースもあります。
- スープ系のフードやウェットフードで自然に水分摂取
- シリンジやスポイトで無理に飲ませない
- 末期の場合は皮下点滴の量や回数を獣医師と調整
状態を見ながら、過不足のない水分補給を意識しましょう。
【Q&A】腎不全の猫に関するよくある悩み

腎不全の猫を飼っていると、悩む飼い主さんは多いですよね。

ここでは、よくある悩みをご紹介していきます。
Q1:腎不全の猫が食べない時はどうする?
A:まずは香りを立てたり、チュールと混ぜたりすることで食欲を刺激しましょう。
無理に療法食だけにこだわらず、腎臓に配慮した補助食やスープタイプも選択肢です。
早期の受診で薬や点滴の調整も必要になることがあります。
Q2:腎不全末期の猫が水も飲めない場合は?
A:体が水分をうまく処理できないと、飲ませることで逆に体調が悪化することもあります。
無理に水を与えるよりも、皮下点滴や水分量の調整を獣医師と相談するのが安全です。
呼吸状態やむくみの有無も確認しましょう。
Q3:腎不全の高齢猫がチュールしか食べないんです。
A:加齢による嗜好変化は珍しくなく、高齢猫ではチュールのような嗜好性の高いフードに偏ることがあります。
総合栄養食タイプのチュールや、腎臓にやさしいウェット補助食に切り替えることで、無理なく栄養バランスがとれます。
まとめ:チュールしか食べない猫に“今できること”を考える
猫が腎不全になっても、「チュールしか食べない」という状況への対応は猫の状態によって異なります。
治療期であれば療法食に少しずつ慣らすこと、高齢猫であれば補助食の導入、末期では無理なく好きなものを与えることが大切です。
無理に栄養バランスを整えようとして猫にストレスを与えるのではなく、その子の状態に合わせて「できる範囲での最善」を選びましょう。
それが、猫にとっても飼い主にとっても優しいケアとなります。