
猫の目の上がはげてるんだけど、これって病気?

わが家の猫も、目の上の毛が薄かった時期があったよ!
「猫の目の上の毛がはげる」ことは意外と多い症状です。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫の目の上がはげる理由は?意外と多い症状の観察ポイント5選
猫の目の上が「はげている」と気づいたとき、多くの飼い主さんが不安になります。
よく見られる症状ですが、背景にさまざまな理由が隠れています。

一緒に勉強していきましょう!
猫の目の上がはげる理由
①生理的に薄い部位
猫の目の上は、もともと毛が薄い部位のひとつです。
- 短毛種や高齢猫で地肌が見えやすい
- 左右対称で赤み・かゆみがなければ正常
- 光の加減や被毛の色でも目立ち方が変わる
特に症状が見られず、過去と比べて変化がない場合は、生理的な範囲内の可能性があります。
猫の目の上がはげる理由
②擦り傷・接触刺激
家具やおもちゃ、他の猫との接触など、物理的な刺激で脱毛することがあります。
- キャットタワーの柱で顔をこする
- 同居猫とのケンカで引っかかれる
- ケージや壁の角などにこすれる
脱毛部分に赤み・かさぶた・小さな傷がある場合は、外傷による可能性が高いです。
猫の目の上がはげる理由
③ストレスや癖
ストレスを感じると、猫は自身を過剰にグルーミングすることがあります。
グルーミングとは、『毛づくろい』という意味ですが、一般的にお手入れ全般を表す言葉として使われています。猫が自分で毛づくろいをすることを、『セルフグルーミング』と言います。
- 家族構成の変化や引越しなど環境ストレス
- 運動不足や遊び不足によるフラストレーション
- グルーミングがエスカレートして脱毛に至る
目の上は舌で舐めにくい部分ですが、前足で引っ掻いたりこすりつけたりして脱毛するケースがあります。
猫の目の上がはげる理由
④真菌・細菌感染
真菌(カビ)や細菌性の皮膚炎は、局所的な脱毛を引き起こします。
- 白癬(カビ)は円形脱毛を伴いやすい
- かゆみ・赤み・ふけ・かさぶたを伴うことが多い
- 感染症は他の動物や人にも伝染することも
目の上だけでなく、耳や顔全体に広がることがあるため、進行している場合は早めの受診が必要です。
猫の目の上がはげる理由
⑤アレルギー・内科疾患
皮膚トラブルの背景に、内科的な問題が潜んでいる場合もあります。
- 食物アレルギー(特定のタンパク質や添加物)
- アトピー性皮膚炎(ダニ・花粉など)
- ホルモン異常(甲状腺機能低下・副腎疾患など)
これらは目の上だけでなく、首回り・背中・腹部など広範囲に症状が出る傾向があります。
猫の目の上がはげる症状の観察ポイント5選


目の上の脱毛に気づいたら、まずは以下の5つの観察ポイントをチェックしましょう。
猫の目の上がはげる時の観察点
①赤み・かさぶたの有無
- 触って赤くなっていないか
- 小さなかさぶたや皮むけがないか
- 毛穴が炎症を起こしていないか
炎症があれば、皮膚病やアレルギーの可能性が高まります。
猫の目の上がはげる時の観察点
②左右対称か、片側だけか
- 両方とも同じように薄い→正常の範囲の可能性
- 片側だけ脱毛→外傷や皮膚病を疑う
- 片方だけ強くこすっている場合も同様
左右差があるかどうかは重要な判断材料です。
猫の目の上がはげる時の観察点
③痒がる・引っ掻く様子があるか
- 頭や顔をよくこすりつけていないか
- 前足で顔を頻繁にかいていないか
- グルーミングが過剰になっていないか
かゆみが見られる場合、皮膚疾患やアレルギーを疑うサインです。
猫の目の上がはげる時の観察点
④他の部位にもはげがあるか
- 首元・腹・耳の裏など他の脱毛は?
- 複数の部位に共通する症状があれば内科的な問題の可能性
- 同居猫にも同じような脱毛がないかチェック
全身的な問題かどうかを確認するために、他部位のチェックは欠かせません。
猫の目の上がはげる時の観察点
⑤グルーミング・こすりつけの頻度
- 異常に顔をこすりつける動作がないか
- 自分で毛をむしる、前足で掻くなどの行動
- ストレスサインや退屈による過剰行動か確認
動画を撮っておくと、獣医師に行動の様子を伝えやすくなります。
猫の目の上がはげる|症状別に考えられる疾患と治療法
猫の目の上のはげ方によって、考えられる原因と必要な治療は変わります。
猫の目の上がはげる:軽度
- 地肌が見えるだけで赤みなし → 生理的
- 軽度のこすれ → 数日様子見でもOK
- 清潔な環境を保ちつつ、経過観察
症状の拡大や変化がなければ、日常管理で様子を見る判断もできます。
猫の目の上がはげる:中程度
- かさぶたやかゆみを伴う → 皮膚病の疑い
- フケ・脱毛の拡大 → 真菌や細菌性皮膚炎の可能性
- 抗菌薬や抗真菌薬での治療が必要になることも
症状が進行性の場合は、早めに受診をおすすめします。
猫の目の上がはげる:重度(膿・広範囲の脱毛)
- 化膿・膿が出る → 感染が重度に進行しているサイン
- 脱毛が複数箇所に拡大 → アレルギーや内科的疾患の可能性
- 血液検査・ホルモン検査など精密検査が必要な場合も
日々の記録や写真が診断に役立ちます。
猫の目の上がはげる時|診察で伝えるべきポイント
- いつから脱毛が始まったか
- どんな様子で進行しているか
- 症状の写真や動画があると診断がスムーズ
- 赤みや出血、膿などの経過

上記を伝えて頂けると、診察がスムーズです。
猫の目の上がはげる|再発・悪化予防策
目の上の脱毛は、一度治っても環境や体調で再発することがあります。予防の意識も大切です。
予防策:皮膚を清潔に保つ習慣
- ブラッシングで毛玉・皮膚汚れを除去
- 濡れタオルで目の周囲をやさしく拭く
- 高湿度の季節にはこまめな換気を
皮膚のバリア機能を保つには清潔第一です。
予防策:ストレスを減らす飼育環境づくり
- 隠れられる場所を作る
- おもちゃで遊びの時間を確保
- 音・におい・来客などの刺激を最小限に
猫は変化に敏感な生き物。安心できる環境が大切です。
予防策:定期的な健康チェックと記録
- 月に1回は被毛・皮膚の状態をチェック
- スマホで写真記録を残しておく
- 異常があればすぐに気づけるようにする
小さな変化も早期発見につながります。
【Q&A】猫の目の上がはげるに関するよくある悩み
猫の目の上の脱毛については、多くの飼い主さんが悩んでいます。

ここではよくある具体的な質問と、その考えられる原因・対応方法をQ&A形式で紹介します。
Q1. 猫の目の上の皮膚が赤いのですが大丈夫?
A. 赤みがある場合は、何らかの炎症や感染のサインである可能性があります。
- 原因の例:
- 外傷による軽度な炎症
- 真菌感染(例:白癬)
- 細菌性皮膚炎やアレルギー
- チェックポイント:
- 赤みが広がっていないか
- 痛がる・触ると嫌がる様子はあるか
- かゆみを伴っていないか
赤みが長引いたり、かゆみ・膿などを伴うようであれば、早めの受診が望ましいです。
Q2. 猫の目の上がはげたけど、治るものですか?
A. 原因に応じて治療すれば、基本的には再び毛が生えてくることが多いです。
- 回復しやすいケース:
- 一時的なこすれやグルーミングによる脱毛
- ストレスや食事の改善で落ち着く場合
- 時間がかかるケース:
- 真菌・細菌による感染症(治療に数週間以上)
- ホルモン疾患など全身性のトラブル
症状が軽快してから数週間〜1ヶ月ほどで被毛は再生することが多いため、焦らず様子を見守ることも大切です。
Q3. 猫の目の上が片方だけはげています。片側だけでも問題?
A. 片側だけの脱毛は、外的要因や局所的な問題である可能性が高いです。
- 考えられる原因:
- 一方向への寝方や姿勢による摩擦
- キャットタワーや壁などの接触による刺激
- ケンカや引っかき傷などの外傷
- 確認ポイント:
- 脱毛部の傷・赤み・フケの有無
- 最近の行動や習慣に変化があったか
- 同じ場所を頻繁にこすっていないか
片側のみの症状でも放置はせず、変化が続くようであれば獣医師の診察をおすすめします。
まとめ:猫の目の上の脱毛は“変化”を見逃さないことが大切
猫の目の上がはげていると気づいたとき、不安になるのは当然です。
しかし、生理的なものもあれば、皮膚病や内科的な病気のサインであることも。
日常の観察とチェックポイントを知っておくことで、適切なタイミングでの対応ができます。
愛猫の健康を守るために、毎日のちょっとした“気づき”を大切にしましょう。