
猫の顎のニキビの芯みたいのは取っていいの?

病院に行くべきか迷ってしまう…
猫の顎の黒いブツブツは、軽そうに見えても、悪化すると化膿したり再発を繰り返すこともあるんです。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫ニキビの黒い芯は取って大丈夫?獣医師が教える受診の目安
まずは「猫ニキビと黒い芯」について、飼い主さんが気になるポイントを簡潔にまとめます。

一緒に勉強していきましょう!
猫ニキビの黒い芯
①黒い芯の多くは角栓(毛穴づまり)
猫のあごに見られる黒い粒は、皮脂や古い角質が毛穴に詰まった「角栓」であることが多いです。
黒いブツブツとした見た目に驚くかもしれませんが、初期段階では痛みもなく、猫自身も気にしていないケースがほとんどです。
猫ニキビの黒い芯
②芯を無理に押し出すのはNG!

黒い芯が気になっても、無理に指や爪で押し出すのは危険です。
皮膚が薄い猫にとっては傷つきやすく、そこに雑菌が入ることで化膿性皮膚炎や膿瘍に発展するリスクがあります。
特に人の手指は目に見えない菌を多く含んでいるため、悪化の原因になりやすいです。
猫ニキビの黒い芯
③基本は触らず清潔ケアが第一
軽度の猫ニキビであれば、芯を取るのではなく、まずは清潔を保つことが基本です。
ぬるま湯で湿らせたコットンやガーゼで優しく拭くだけでも十分。こすらずに、汚れを落とす程度で済ませるよう心がけましょう。
猫ニキビの黒い芯
④出血・腫れ・膿があれば受診を検討
赤み、腫れ、出血、膿のような分泌物が見られた場合は、自己処理をやめ、すぐに動物病院を受診しましょう。
症状に応じて抗生物質や外用薬の処方が必要になることがあります。早期対応が悪化防止のカギです。
猫ニキビの黒い芯
⑤生活環境や体質の見直しで再発予防
猫ニキビは繰り返すことが多く、清潔にしていても再発するケースがあります。
その場合は、食器の素材、食生活、ストレス、皮脂分泌の多い体質など、環境面の見直しが必要です。
対処と予防をセットで考えることが重要です。

ここからは、さらに詳しく解説していきます。
猫ニキビの黒いブツブツ・芯の原因
猫ニキビの芯とは何か、なぜできるのかを理解すると、適切なケアにつながります。
猫ニキビの黒い芯=酸化した皮脂+角質
黒い芯の正体は、皮脂・角質・ほこりが混ざって毛穴に詰まったもの。
空気に触れて酸化し、黒く見えるため「黒ニキビ」と呼ばれます。
猫ニキビができる様々な原因
猫ニキビの発生には、体質的な要因と環境的な要因が複合して関わっています。
猫ニキビの主な原因は、あごの下や口の周辺にある分泌腺に分泌物がたまってしまい、炎症を起こすことです。それ以外の原因としては、アレルギー、ストレス、感染、フードなどが考えられます。

色んな原因が積み重なってるのかもしれないね!
原因 | 説明 |
---|---|
皮脂の過剰分泌 | 特に若い猫や短毛種で多く見られます。ホルモンバランスや遺伝によるものも |
食器の材質(プラスチック) | 表面に細かい傷がつきやすく、菌や汚れが溜まりやすいため毛穴を塞ぐ原因に |
不十分な清潔管理 | 食器や水皿を毎日洗わない、あご周りが常に汚れているなど |
アレルギーや皮膚の弱さ | 食物アレルギーや皮膚疾患がベースにあると、炎症や皮脂詰まりを起こしやすくなる |
ストレス・免疫低下 | 環境の変化やストレスが皮脂分泌や免疫に影響することもある |
見た目の改善だけでなく、生活環境や習慣を見直すことも、再発予防のカギになります。

わが家の猫は、飼い主が連泊する時に黒ニキビが悪化する傾向にありました。
きっと寂しさとストレスも重なったのでしょう。
なぜ猫ニキビはあごにできやすい?
猫のあご周辺には皮脂腺が集中しており、皮脂の分泌が活発な場所です。
毛づくろいや食事の際に摩擦や汚れが溜まりやすく、毛穴が詰まりやすい構造になっています。
猫ニキビの症状進行パターン(黒→赤→化膿)
初期段階の黒ニキビは、見た目に黒い点があるのみで痛みは少なめ。
放置や刺激によって赤く腫れたり、かさぶた化、膿が出てくると要注意のサインです。
化膿が進むと、皮膚が破けて出血することもあります。

次は、猫ニキビの重症度と、獣医師パパが教える受診の目安を紹介します!
猫ニキビの黒い芯|獣医師が教える受診の目安

猫ニキビは軽度であればホームケアで様子を見ることもできますが、炎症や感染が進行すると、動物病院での治療が必要になるケースもあるので、しっかり学んでいきましょう。

病院に行くべきか迷った時の、判断ポイントを紹介!
猫ニキビ:軽度の症状と対応
状態 | 対応 |
---|---|
黒いポツポツ(角栓)だけがある | 清潔ケアをしながら経過観察。触らず優しく拭き取る程度でOK |
猫が気にしていない・掻かない | 特別な治療は不要。ぬるま湯や専用ローションでケアを継続 |
軽度の黒ニキビ(角栓)は、痛みや炎症がなく、猫も気にしていない場合が多いため、すぐに病院へ行く必要はありません。
1日1回の拭き取りケアや食器の見直しで自然に改善するケースも多く見られます。
猫ニキビ:中度の症状と対応
状態 | 対応 |
---|---|
赤みや腫れがある | 炎症が始まっている可能性あり。早めの受診を検討 |
芯を取ったあとに出血がある | 皮膚の損傷リスクが高く、化膿の前兆のことも |
猫がしきりに顔をこすったり掻いている | 痛みやかゆみがある証拠。悪化する前に診察を推奨 |
見た目が赤くなっていたり、猫が頻繁に気にしている場合は、進行性の皮膚炎やアレルギーが隠れていることもあるため、早めの診断が安全です。
腫れやかゆみがある状態での放置は悪化のリスクを高めます。
猫ニキビ:重度の症状と対応
状態 | 対応 |
---|---|
膿が出ている・ジュクジュクしている | 細菌感染の可能性が高く、抗生剤が必要になるケースも |
悪臭がする | 化膿性皮膚炎、または真菌感染の可能性。早急な処置が必要 |
数日間ケアしても悪化・範囲が広がっている | 他の皮膚疾患(真菌・ダニ・アレルギー)の可能性あり。即診察を |
これらの症状がある場合は、自然治癒を期待するよりも早めの受診がベストです。
細菌感染や炎症が進行していると、抗菌薬や外用薬、場合によっては血液検査や培養検査が必要になることもあります。
早期対応で悪化や再発を防ぐことが、猫にとっても飼い主にとっても負担を減らすポイントです。
猫ニキビの治し方と正しい拭き方

軽症の場合の治し方や、日常ケアも知りたいな。
ここからは、軽度の猫ニキビに有効なホームケア方法を紹介します。
猫の顎ニキビの正しい拭き方
猫ニキビの初期段階(黒ニキビ・角栓)の場合は、患部を清潔に保つことがもっとも大切です。
手順 | 内容 |
---|---|
① 濡れコットンを用意 | ぬるま湯で湿らせたコットンやガーゼを使う(無香料・無添加が望ましい) |
② 優しくふき取る | こすらず、トントンと軽く当てて表面の汚れだけを取る |
③ 1日1回、清潔なタイミングで | 朝または食後に実施。やりすぎは逆効果のため1日1〜2回程度に留める |
※「動物病院で処方された拭き取りローション」や「ペット用低刺激洗浄液」があればそれを使用してもOKです。
猫ニキビの原因となるプラスチック製の器をやめてみる
猫ニキビの多くは接触性皮膚炎がきっかけになることがあります。
特にプラスチックの食器は細かい傷に雑菌が繁殖しやすいため、陶器・ガラス・ステンレス製の器に切り替えるのがおすすめです。
食事や体質の見直しもポイント
- 皮脂分泌を抑えるためには、高脂質すぎないフードを選ぶ
- 添加物や保存料が多いフードは避け、ナチュラル志向のごはんに切り替えるのも有効
- アレルギー体質が疑われる場合は、低アレルゲンの療法食やスキンケア用フードの導入を獣医師と相談するのが◎
猫ニキビで絶対やってはいけないNGケア5選

最後に、猫ニキビ対策で絶対にやってはいけないNG行動についてお話していきます。
猫ニキビNGケア
①指や爪で押し出す
「人間のニキビと同じように押し出せば取れるはず」と思ってしまいがちですが、これはもっともやってはいけないNG対策です。
猫の皮膚は非常に薄く、傷つきやすいため、指や爪で力をかけると簡単に皮膚が破れ、出血や感染の原因になります。
特に猫の皮脂腺周辺は雑菌が繁殖しやすく、膿瘍(うみをもったしこり)になるリスクも。たとえ芯が出てきても、押し出すのは避けましょう。
猫ニキビNGケア
②アルコールや薬を自己判断で使う
清潔にしたい気持ちからアルコールや人間用の消毒薬を使ってしまうのもNGです。
猫の皮膚は人間よりも敏感で、アルコールの刺激によって皮膚バリアが破壊され、炎症が悪化する恐れがあります。
また、市販の人間用軟膏や殺菌剤を使うと、猫が舐めてしまい中毒を引き起こす可能性もあるため非常に危険です。
猫ニキビNGケア
③人間用の洗顔料やピーリングを使う
「毛穴汚れ=洗顔」と考えて、猫にも使いたくなる気持ちはわかりますが、人間用のスキンケア製品は猫には刺激が強すぎます。
多くの洗顔料には界面活性剤や香料、防腐剤など猫に不適切な成分が含まれており、皮膚が乾燥・炎症を起こしやすくなります。
猫ニキビNGケア
④完全に放置する
軽度であれば自然に治る場合もありますが、赤み・腫れ・かさぶた・膿がある状態を「自然に治るだろう」と放置するのは危険です。
とくに「数日様子を見ても悪化している」「猫が頻繁に気にしている」などの兆候があれば、自己判断せず早めに獣医師へ相談してください。
猫ニキビNGケア
⑤ネット情報を頼りに薬を購入
SNSや動画サイト、ブログなどで「この薬で治った!」という情報を見て、同じ薬を使ってしまうのは非常に危険です。
なぜなら中度以上の場合、同じように見えるニキビでも原因は真菌、細菌、アレルギーなどさまざまで、治療薬が異なるからです。
まとめ:猫ニキビの黒い芯は無理に取らないで
猫ニキビの黒い芯は、毛穴のつまりによる角栓が多く、見た目以上に注意が必要です。
芯を無理に取ろうとせず、まずは清潔を保ち、症状が進行していれば早めに受診してください。
日常のケアと環境改善で、猫ちゃんのお肌トラブルを未然に防ぎましょう。