
いつもより呼吸が荒くて、水もやたら飲むんです。これって年のせい?

こんなに水を飲んでで大丈夫なのかな?
老犬の様子は、病気か老化によるものか判断が付きにくいですよね。

老犬が突然「息が荒い」「水をよく飲む」といった様子を見せると、何か大きな病気かもしれないと不安になる方は多いです。
今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
老犬が息が荒い状態で水をよく飲む原因は?

年齢を重ねた犬にとって、「少しの異変」が重大なサインであることも少なくありません。
まずはよくある5つの原因を知ることが、愛犬の命を守る第一歩になります。

一緒に学んでいきましょう!
息が荒い状態で水をよく飲む原因
①心臓・呼吸器の負担増加
- 左心不全などで肺に水が溜まり、息苦しさが出る
- 呼吸が浅く速くなるため、水を多く飲むようになる
- 安静時でも「胸の上下が大きい」「落ち着かない様子」が見られる
心臓に負担がかかると、呼吸が速くなり、安静にしていても体は常に緊張状態になります。
これにより水を多く飲む行動や、疲れやすさが現れやすくなります。
息が荒い状態で水をよく飲む原因
②腎機能低下・腎臓病の可能性
- 腎臓の濾過機能が落ち、尿量が増える(=水も多く飲む)
- 体内の老廃物が溜まり、代謝異常によって呼吸が荒くなる
- 「飲水量増加+おしっこ増加+元気がない」は要注意
特に老犬では、慢性的な腎臓病が多く見られ、早期発見が難しいことも。
水をよく飲むようになったら、まずは尿の状態や量にも注目してみてください。
息が荒い状態で水をよく飲む原因
③糖尿病・ホルモン異常の可能性
- 血糖値やホルモンバランスの異常により多飲・多尿が起こる
- 糖尿病では「体重減少」や「だるそうな様子」が出ることも
- クッシング病では「腹部の膨らみ」「毛が薄くなる」といった変化も
糖尿病やホルモンの異常は、全身症状として現れるため、単なる「老化」と思い込んで見逃されがちです。
元気そうに見えても、水や尿に異常があれば要チェックです。
息が荒い状態で水をよく飲む原因
④気道・喉に起因する呼吸障害
喉頭麻痺や声帯の機能低下により、空気の通りが悪くなり息が荒くなることがあります。
特に大型犬や特定の犬種(ラブラドールなど)では、加齢とともに症状が現れやすいです。
| 兆候 | 説明 |
|---|---|
| 息を吸うたびに「ガーガー」と音が鳴る | 喉がうまく開かず、空気の流れが狭くなっている可能性 |
| 仰向けで寝たがらない | 喉の圧迫を避けようとする行動 |
| 暑くもないのにハァハァしている | 呼吸に努力が必要な状態 |
このような症状が見られるときは、すぐに獣医師へ相談することをおすすめします。
息が荒い状態で水をよく飲む原因
⑤脱水・電解質バランスの乱れ
- 嘔吐・下痢・発熱などにより脱水気味になると、呼吸が浅く速くなる
- 水分を飲んでいても、体内でうまく吸収・保持できていない場合も
- 電解質(ナトリウム・カリウムなど)のバランス崩れも呼吸異常に関与
「たくさん水を飲んでいるのに脱水?」と疑問に思うかもしれませんが、高齢になると体内の水分調節機能が弱まります。
飲水後の嘔吐やふらつきも、見逃してはいけないサインです。
老犬が息が荒い状態で水をよく飲む時の注意点

愛犬の変化に早く気づくことで、症状の悪化を防ぐことができます。
次の点を日常の中で意識しましょう。
注意点①呼吸と飲水量の変化を見逃さない
- 寝ているときに胸の上下が目立つ
- 口を開けて苦しそうに呼吸している
- 水を飲む回数・量が明らかに増えている
目安としては、体重1kgあたり1日に40~60mlの水分を摂取することが推奨されており、これは子犬や年齢を問わず犬に当てはまります。
老犬の変化は、日々の記録を残すことで分かりやすくなります。
ノートやスマホアプリで、簡単な観察メモを続けてみましょう。

老犬は、脱水になりやすい傾向がありますが、逆に水分量が多すぎて体に負担をかけているケースもあります。
注意点②緊急性が高いサインにすぐ対応する
老犬の呼吸異常や行動変化の中には、一刻を争う緊急サインが隠れていることもあります。
次のような兆候が見られた場合は、「様子を見る」のではなく、すぐに動物病院へ連絡しましょう。
| 観察できる異常サイン | 具体的な様子 | 危険性の説明 |
|---|---|---|
| 唇や舌が青紫色 | 酸素不足でチアノーゼ状態 | 呼吸不全や心臓疾患の可能性が高く、即時処置が必要 |
| 首・喉がピクピク動く | 呼吸困難で筋肉に力が入っている | 気道閉塞や重度の呼吸障害が疑われる |
| 呼吸が異常に速い or 浅い | 安静時でもハァハァが止まらない | 熱中症、心不全、呼吸器疾患など複数のリスク |
| ふらつき・倒れそうになる | 足元がふらつく、ふせるのが困難 | 脳や循環器の異常、低血糖、ショック症状の可能性 |
| 食欲の急激な低下 | 好きなごはんにも反応しない | 体調悪化のサイン。内臓疾患や感染症の前兆にも |
これらのサインはどれか一つだけでも要注意。
複数が同時に見られた場合は、緊急度がさらに高まります。
特に高齢犬の場合は、体力・回復力が若い頃と比べて低下しているため、「少しおかしいな」と思った段階での受診が、命を守る判断になります。
\あわせて読みたい/
老犬が夜中にハァハァするのは病気?眠れない5つの原因
注意点③家庭環境と日常ケアの見直しを
- 室温・湿度を適切に保ち、呼吸器への負担を減らす
- 水はいつでも飲めるよう、低い位置や複数の場所に設置
- 食事・トイレ・休憩のサイクルを整え、身体のリズムを安定させる
特に夏や季節の変わり目は、呼吸や体調への影響が大きくなるため、環境整備は重要です。
また、老化に伴う筋力や視力低下による転倒や障害物への衝突対策も必要になっていきます。
\あわせて読みたい/
Q&A:老犬の息の荒さや水分量に関するよくある質問
最後に、実際によくある飼い主さんの悩みをQ&A形式で解説していきます。
Q1:老犬が夜になると息が荒い日が多くなるのはなぜ?
A:夜間は気温や湿度の変化、日中の疲れが影響し、呼吸が乱れやすくなります。
特に心臓や呼吸器系に問題がある犬は、横になることで肺が圧迫され、息が荒くなることがあります。
Q2:老犬が水をよく飲むし、下痢もしているけど大丈夫?
A:水を多く飲む+下痢は、脱水や腸炎、腎臓疾患などの可能性があります。
腸の吸収力が落ちているため、体内の水分バランスが崩れているサインかもしれません。
Q3:犬が水を飲みすぎるとどうなる?
A:水を飲みすぎると、体内の電解質が薄まり「水中毒」のリスクが出てきます。
特に短時間で大量に飲んだ場合は注意が必要です。普段より急に飲水量が増えた時は獣医に相談しましょう。
Q4:老犬が水飲まない…大丈夫なの?
A:高齢犬で水を飲まないのは危険な状態です。腎機能の低下や脱水が進んでいる可能性があります。
飲まない=元気がないサインでもあるので、食事や体調と合わせてチェックを。
まとめ:早めの気づきで老犬の命を守ろう
老犬が「息が荒い」「水をよく飲む」という症状を示すとき、考えられる主な原因は心臓・腎臓・ホルモン異常・呼吸器・水分バランスの乱れの5つです。
少しの違和感でも「年だから」と放置せず、日々の観察と早めの行動が、愛犬の健康を守ります。
獣医師との連携と、安心できる環境づくりを心がけて、シニア期も穏やかな毎日を支えていきましょう。
