
夜中に急にハァハァし出すのが心配で…

うちの老犬も夜中に起きてウロウロしてる…。
夜中にハァハァする老犬を見ると、心配で眠れないですよね。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
老犬が夜中にハァハァするのは病気?眠れない5つの原因
老犬が夜間にハァハァと息を荒くするのは、体の不調や環境要因など複数の要因が関係しています。
まずは、その中でも特に多い5つの原因を詳しく見ていきましょう。

一緒に学んでいきましょう!
老犬が夜中にハァハァする原因
①心臓や呼吸器の病気
- 横になると苦しくなり、急に起きてハァハァし始める
- 心臓疾患(僧帽弁閉鎖不全症など)で肺に水が溜まりやすくなる
- 気管虚脱などの呼吸器の病気でも息がしづらくなり、夜間に症状が出る
夜中に呼吸が浅くなったり、突然起きて苦しそうにする場合は、心臓や呼吸器に何らかの疾患が隠れている可能性があります。
老犬が夜中にハァハァする原因
②暑さ・室温の影響
- 老犬は体温調節が苦手で、夜でも熱がこもりやすい
- エアコンを切って寝ると、室温上昇で呼吸が荒くなることも
- 熱中症の初期症状としてもハァハァが見られる
人間が快適と感じる室温でも、老犬にとっては暑すぎることがあります。
老犬が夜中にハァハァする原因
③不安や認知症による徘徊
- 夜間に落ち着きなく歩き回り、呼吸が荒くなる
- 鳴きながらウロウロするなどの行動が見られる
- 自分の居場所や時間が分からなくなる「見当識障害」が関与している場合も
加齢による認知機能の低下は、夜間の不安や混乱を引き起こします。
特に静かな夜は外部刺激が少なく、不安行動が強く表れやすくなります。
老犬が夜中にハァハァする原因
④痛みや違和感による反応
- 関節痛、内臓の不快感などで落ち着いて眠れない
- 痛みで呼吸が浅くなり、ハァハァすることで苦痛を訴える
- 日中は動きがあるため気づかれにくいが、夜間に症状が出やすい
目に見えない痛みは見落とされがちですが、夜になると静かな環境で不快感が際立ち、行動や呼吸に変化が現れます。
日中との違いにも注意が必要です。
老犬が夜中にハァハァする原因
⑤体温調節機能の低下
- 自律神経の衰えで、わずかな寒暖差にも反応しやすくなる
- 室温の変化や寝床の冷えなどに敏感になりやすい
- 暖房が強すぎても、熱がこもってハァハァの原因になる
高齢になると、体温調節の機能が鈍くなり、ほんの少しの暑さや寒さにも過敏になります。
季節に応じた寝床の見直しも検討しましょう。
老犬が夜眠れない5つの原因と対策

老犬が夜に眠れなくなる背景には、体の異常だけでなく、心の変化や認知症の影響も関係しています。
ここでは、よく見られる行動とその意味を解説します。
老犬が眠れない原因
①認知症による昼夜逆転
加齢による脳の機能低下により、昼夜の区別がつかなくなり、夜間に不安や混乱が強まるケースがあります。
以下のような行動が見られたら、認知症の兆候かもしれません。
- 夜間に歩き回る(徘徊)
- 同じ場所をぐるぐる回る
- 家具や壁にぶつかることが増える
- 夜鳴きや無駄吠えが増える
対策
- 昼間に日光を浴びる時間を増やし、生活リズムを整える
- 夜間は部屋を暗くし、睡眠しやすい静かな環境をつくる
- リラックスできる音楽や優しい照明を活用する
- 獣医師に相談し、認知症サプリメントや治療薬の使用を検討する
認知症による昼夜逆転は、老犬にとっても飼い主にとっても大きなストレスになります。
日中の活動量を上げることと、夜の安心感を高める工夫の両面からアプローチしましょう。
老犬が眠れない原因
②疾患による息苦しさ
夜間は体を横にする時間が長くなるため、心臓や呼吸器に負担がかかり、息苦しさが強く出ることがあります。
ハァハァとした呼吸や夜間の覚醒が続く場合は、疾患の可能性も考えましょう。
- 呼吸が浅く、早い
- 夜中に急に起きてハァハァと苦しそうにする
- 横になりたがらず、立ったままうとうとする
- 寝てもすぐに立ち上がって歩き回る
対策
- 寝床の角度を少し上げ、上半身が起きた姿勢で眠れるようにする
- 部屋の温度や湿度を一定に保ち、呼吸への負担を減らす
- 呼吸の異常が頻繁にある場合は、心臓や呼吸器の精密検査を受ける
- 必要に応じて、獣医師の指導のもとで薬や療法食を導入する
夜間のハァハァは、見逃すと命に関わる病気のサインかもしれません。
「ただの暑さかな」と自己判断せず、早めの受診を心がけましょう。
老犬が眠れない原因
③ 体の痛み・不快感
関節炎や筋肉のこわばり、内臓の不調など、目に見えにくい体の痛みが夜に強く出ることがあります。
横になるのがつらく、落ち着きなく移動を繰り返すことも。
- 寝たと思ってもすぐに起きて場所を変える
- ベッドを出たり入ったりして落ち着かない
- 座ったまま眠る姿勢になる
- 体の一部(足・腰・腹)を触ると嫌がる
対策
- 関節や腰に負担をかけにくい柔らかい寝具(低反発・体圧分散)を使う
- 冷えや湿気を避けるため、寝床の設置場所や素材を見直す
- 関節の痛みに対応したサプリメントや痛み止めを獣医師に相談する
- 夜間の冷え対策としてブランケットや保温マットを取り入れる
夜になると静かになり、痛みに気づきやすくなる犬もいます。
日中は元気でも「夜だけおかしい」なら、痛みや不快感が隠れている可能性があります。
老犬が眠れない原因
④環境のストレス
老犬は加齢によって感覚が過敏になります。
- ハァハァと荒い呼吸をする
- 寝床で落ち着けず、何度も移動する
- 音や物音に敏感に反応して吠える
- 部屋の匂いや照明に敏感になる
対策
- 室温は20〜25℃、湿度は50%前後を目安に保つ
- 明るすぎる照明やテレビの音を控え、落ち着いた環境をつくる
- アロマや飼い主の匂いがついたタオルで安心感を与える
- 寝る前に空気の入れ替えをして清潔な空気に整える
高温多湿は人間と同様、犬にとっても不快で心身に負担がかかります。犬にとって快適とされている湿度と温度は以下の範囲がとされています。
湿度:50%前後
温度:20〜25℃前後ろ
わずかな刺激が睡眠を妨げていることもあるため、夜の空間づくりが大切です。
老犬が眠れない原因
⑤分離不安・精神的な孤独感
老犬は心細さを感じやすくなります。
- 飼い主の姿を探してウロウロする
- 鳴いて呼ぶ、前足で触る、舐めるなどの行動
- 一人で眠ることを嫌がる
- 飼い主が寝室に入ると鳴き止む
対策
- 寝床を飼い主の近くに設置し、安心感を与える
- 就寝前にスキンシップの時間を取り、心を落ち着かせる
- 夜用の安心グッズ(音楽、ぬいぐるみ、着古した服など)を活用する
- できるだけ同じ空間で眠れるように、生活スタイルを調整する
「甘えているだけ」と片付けず、不安に寄り添うケアが快適な睡眠につながります。
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Q&A:老犬が夜寝ないことに関する質問

最後に、実際によくある飼い主さんの悩みをQ&A形式で解説していきます。
Q1:老犬が夜寝ないでウロウロするのは認知症?
A:可能性はあります。見当識障害により、昼夜の区別がつかなくなると夜間に落ち着かず徘徊することがあります。
一度獣医師の診察を受けるのがおすすめです。
Q2:老犬がハァハァして落ち着きがないのは病気?
A:心臓や呼吸器の疾患、あるいは認知症・痛み・暑さなど様々な原因が考えられます。
まずは室温や行動の変化を観察し、必要であれば早めに受診しましょう。
Q3:老犬が暑くないのにハァハァするのはなぜ?
A:体温調節機能の低下、痛みや不安、または心疾患の可能性があります。
外気温だけで判断せず、夜間の行動も含めて全体を見てあげることが大切です。
Q4:老犬が夜寝ないのは歳のせい?
A:加齢による生活リズムの崩れや認知機能の低下が原因となることもあります。
ただの「歳のせい」と思わず、症状が続くようなら環境改善や医師の相談を検討しましょう。
まとめ:夜間の変化は老犬からの大切なサイン
老犬が夜にハァハァと苦しそうにするのは、単なる暑さや運動ではなく、体や心の異常を知らせるサインかもしれません。
心臓病や認知症、痛み、環境の変化など、多くの要因が関係しているため、まずは原因を見極めることが重要です。
「いつもと違う夜」を見逃さず、愛犬の小さな変化に気づけるよう、日々の観察とケアを心がけましょう。
