
猫の皮膚にピンクのできものがあって、触ると固いし…これって悪いもの?

見た目ピンクで赤みもあるけど、痛がる様子はない…受診するべき?
猫たちは言葉で伝えられない分、飼い主は不安になりますよね。

今回は、こんなお悩みを解決していきます。

こちらのポイントに沿って、お伝えしていきます。

獣医師パパ監修の元、詳しく解説しますので安心して読み進めてくださいね。
猫のピンクの「できもの」は危険?考えられる原因と症状一覧
猫の皮膚にピンクの“できもの”が見つかると、単なる毛穴の炎症か、それとも深刻な病気かと心配になるものです。
ですが、ピンクのできものがすべて悪性というわけではありません。
良性のもの・炎症・アレルギーなど様々な原因があり、症状によって対処や注意するポイントも異なります。

一緒に学んでいきましょう!
猫のピンクのできものの原因
①良性腫瘍や過形成が多い
- 丸くて柔らかいできものが多い
- 増殖スピードがゆるやか
- 痛みやかゆみを伴わないケースがほとんど
猫のできものでよく見られるのが「良性腫瘍」や「皮膚の過形成」です。
乳頭腫や脂肪腫など、見た目はぷにぷにしており、硬くなく、境界がはっきりしているのが特徴です。
痛がったり舐める様子がなければ、急ぎの処置は不要な場合もありますが、変化には注意が必要です。
猫のピンクのできものの原因
②炎症・アレルギーの可能性
- 虫刺され・ノミ・接触性アレルギーなどが原因
- 赤みやただれ、かゆみが見られることが多い
- 首や耳の周辺、口のまわりなどに出やすい
皮膚のバリアが弱い部分や被毛が薄い部位に出やすく、猫が舐めたり噛んだりする行動が増えたらアレルギーや炎症を疑いましょう。
炎症性のぶつぶつは放っておくと悪化し、出血や膿が出てくることも。
長引く場合は、原因アレルゲンの特定も含めた診察が必要です。
猫のピンクのできものの原因
③感染(細菌・真菌など)も要注意
- 傷や湿気が原因で細菌感染が起きる
- カビ(真菌)は円形の脱毛やかさぶたが特徴
- ウイルス性はイボ状のできものになるケースも
感染性の皮膚疾患は、見た目が赤くただれていたり、膿・かさぶた・脱毛などを伴うことが多いです。
中には人にうつるカビ(皮膚糸状菌症)もあるため、家庭内で複数のペットや子どもがいる場合は注意が必要。
症状が軽いうちに動物病院で診てもらいましょう。
猫のピンクのできものの原因
④悪性病変の可能性
- 色が黒ずむ、または急に色が濃くなる
- 形がいびつで、境界がぼやけている
- 硬く、皮膚の下で動かない
- 表面がガサガサ・かさぶた・ただれている
- 猫がしきりに舐めたり、痛がる素振りを見せる
悪性病変のできものには、見た目が黒ずんでいたり、形が不規則で境界が不明瞭なものが多く見られます。
柔らかく動く良性の腫瘍とは異なり、悪性の場合は硬くて皮膚と癒着し、押しても動かないことがあります。
さらに、猫が気にして舐めたり、痛がるような素振りを見せるのも要注意サイン。
こうした特徴が複数当てはまる場合は、早めに写真で経過を記録し、動物病院で診てもらいましょう。
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猫のできもの:部位・原因・受診目安一覧

猫の体のどこにできるかによって、考えられる原因や緊急性も異なります。

ここでは部位別の特徴、できものの種類、行動変化などを一覧で整理します。
猫のできもの:部位別の特徴一覧
部位 | よく見られるできものの種類 | 特徴(形・色・触感など) | 注意すべき変化 |
---|---|---|---|
耳や耳の付け根 | 肥満細胞腫・乳頭腫・扁平上皮癌 | 赤み・出血・かさぶた | 急な拡大・触ると嫌がる |
鼻・顔の先端 | 扁平上皮癌・ウイルス性乳頭腫 | 表面がカサカサ・皮がめくれる | 潰瘍・色の変化 |
口・口周り | アレルギー・感染症・イボ | 腫れ・ジュクジュク・赤み | よだれ・臭い・食欲減退 |
背中・胸部・四肢 | 脂肪腫・過形成 | 柔らかく境界明瞭・毛がある | 硬くなった・大きくなった |
足・関節付近 | 感染性しこり・腫瘍 | 腫れ・熱感・歩行困難 | 歩かない・触ると怒る |
肥満細胞腫は、肥満細胞という免疫に大きく関与する細胞が腫瘍化する病気です。
猫の肥満細胞腫は、皮膚に発生する「皮膚型」と、脾臓・肝臓・腸などに発生する「内臓型」があります。「皮膚型」は比較的良性の腫瘍が多いのですが、「内臓型」の場合、悪性度が高く転移しやすいといわれています。

肥満細胞腫のケースは意外と多く、見た目だけでの診断が難しいことも多いです。
確定診断のために、細胞診の検査が必要となります。
猫のできもの:原因別の特徴一覧
次は、猫のできもので考えられる原因を、特徴別でまとめた一覧表です。
種類 | 見た目の特徴 | 増殖スピード | 猫の反応 | その他の症状・注意点 |
---|---|---|---|---|
良性腫瘍 | 丸くて滑らか、色は変化なし | ゆっくり | 触っても嫌がらない | 大きさが変わらなければ経過観察可能 |
悪性腫瘍 | 色の変化・潰瘍・出血あり、境界が不明瞭 | 急激に大きくなる | 痛がる・元気がない | 食欲低下や全身症状を伴うことも |
炎症性できもの | 赤く腫れて熱感あり | 中程度だが、急性炎症では早く変化することも | 舐める・噛むなどの執拗な行動あり | 放置すると悪化・出血や膿が出ることも |
感染性(細菌・真菌・ウイルス) | ジュクジュク、かさぶた、脱毛、イボ状 | 感染源により変動 | 舐める・気にすることが多い | 真菌は円形脱毛、ウイルス性はザラザラした表面が特徴 |
このように、できものの種類によって見た目・反応・進行の速さが異なります。
良性であっても、「位置や形が変化してきた」「猫がしきりに気にするようになった」といった場合は、経過観察だけでなく、診断を受けることが安心につながります。
猫のできもの:受診目安一覧
チェック項目 | 目安・サイン |
---|---|
成長速度 | 数日〜1週間で明らかに大きくなっている |
色の変化 | ピンク→赤→黒っぽく変化/出血あり |
表面の異常 | 潰瘍・膿・悪臭・かさぶたが広がる |
行動の変化 | 舐める・掻く・痛がる・歩き方に違和感 |
全身状態 | 食欲減退・元気がない・熱っぽいなど |

少しでも心配なことがあれば、一度相談しましょう。
定期健診のきっかけにもなります。
【Q&A】猫のピンクのできものに関するよくある悩み

最後に、実際によくある飼い主さんの疑問をQ&A形式で解説していきます。
Q1:猫の頭にピンクのできものは危険?
A:頭部にできるピンクのできものも、良性であることが多いですが、舐められず観察しづらい部位なので注意が必要です。
Q2:猫の背中にピンクのできものは様子見で大丈夫?
A:背中のものは脂肪腫や過形成の可能性が高いですが、成長スピードや触り心地が変化するなら診察を。
柔らかくて動くものは比較的安心ですが、経過観察を忘れずに。
Q3:猫のピンクのイボが大きくなるのは悪性?
A:イボが急激に大きくなる・色が濃くなる場合は注意が必要です。
特に出血・潰瘍が見られるなら早期に動物病院での確認を。
Q4:猫の唇の赤いできものは受診すべき?
A:唇まわりはアレルギーや感染症が多く、猫が舐めやすい部位でもあるため悪化しやすいです。
発生頻度としても多いです。臭いや腫れがあれば早めの対応が安心です。
Q5:猫の小さいできものは放置していい?
A:小さくても、硬さ・色・形・成長速度によっては注意が必要です。
変化がなければ経過観察でも構いませんが、少しでも異変を感じたら写真を撮って記録し、相談を。
まとめ:猫の皮膚のできものは要観察が必要
ピンク色の皮膚のできものは、見た目だけでは判断がつきにくく、不安になって当然です。
多くは良性である一方、炎症・感染・悪性腫瘍が隠れているケースもあります。
大切なのは、色・形・触感の変化に気づくこと、そして猫の行動や全身状態をよく観察することです。
定期的な健康チェックやスキンシップの中で「いつもと違う」を見つけてあげましょう。
少しでも不安があれば、獣医師に相談するのが一番の安心です。